メコンデルタ地方2省で6月上旬、カブトガニ綱カブトガニ属のマルオカブトガニをカブトガニと間違えて食べた地元住民が食中毒を起こす事故が2件立て続けに発生した。これにより、計8人が病院に救急搬送された。
(C) VIETJO, ハロン湾でカブトガニを調理する様子 |
(C) congan, 左:カブトガニ(大きい1匹)、右:マルオカブトガニ(小さい2匹) |
同地方ロンアン省在住の男性4人は1日、手足が麻痺し、呼吸困難に陥った状態でホーチミン市チョーライ病院に救急搬送された。4人は集中治療を受け、3日になってようやく回復し、命に別状はないことが確認された。4人はマルオカブトガニをカブトガニだと思い込んで食べたという。
6日にも、同地方ベンチェ省在住の一家4人がマルオカブトガニを食べて同様の症状を発症し、同省グエンディンチエウ病院に救急搬送された。4人のうち、6歳と10歳の子供2人は応急処置を受けた後、ホーチミン市第1小児病院に転送された。幸い4人とも7日までに回復している。
4人は2日前に知人からマルオカブトガニを贈られ、カブトガニのつもりで茹でて食べたという。贈り主もこれがマルオカブトガニだということには気付いていなかった。
マルオカブトガニは、カブトガニと異なり、フグの毒として知られるテトロドトキシン(Tetrodotoxin=TTX)を持っているため食用にできない。しかし、外見がカブトガニとよく似ていることから、ベトナムではこれらを間違って食べた住民が食中毒を起こす事故がしばしば発生している。大量摂取したり、治療が遅れた場合には死に至ることもある。