12月4日開催｜【日本人が知らない】ベトナム市場の真実と日系企業の経営課題... (PR)

　南中部高原地方ラムドン省バオロック峠で14時30分頃、峠を下っていた長距離バスがブレーキ不能となり、コントロールを失って猛スピードで突進していたところ、同じ車線を走行していたトラックの運転手が自身のトラックの荷台にわざとバスを追突させることで事故を回避し、乗員乗客全員を救うという出来事が起きた。

(C) vnexpress, Hoai Thanh, バックさん

(C) vnexpress, Hoai Thanh

　ハリウッド映画のようなアクションシーンを見せたのは、同省ダフオアイ郡在住のファン・バン・バックさん(男性・30歳)。農産物約15tを載せてホーチミン市方面に向かう途中だったバックさんは、峠を下っている最中に後ろの長距離バスが暴走し、乗客が手を振って助けを求めていることに気づいた。

　バックさんは躊躇せず、ライトを点灯させて長距離バスの運転手にトラックの荷台へ追突するよう合図。突進してきた長距離バスを受け止めるため、予めスピードを落とし、追突された瞬間に更にブレーキを掛けてそのまま長距離バスを峠のふもとまで誘導した。

　衝突により長距離バスの前部とトラックの後部が破損したが、乗客1人が負傷した以外に、バックさんとバスの運転手2人及び乗客30人余りは全員無事だった。バックさんは、「失神するほど怖かったが、職業柄これまでにも多くの交通事故を目撃してきたため、助けなければという気持ちでいっぱいになり、自然に手が動いた」と述べた。

　30人余りの命を助けたバックさんは同日、偶然にも事故現場で妻から長子の妊娠を知らされたという。実兄がバオロック峠近くのチュオイ峠で交通事故死したこともあり、事故については何も口にしていなかったが、マスコミでバックさんの手柄が大々的に報じられ、称賛の声が殺到した。

　バックさんの勇気に感銘を受けたチャン・ダイ・クアン国家主席及びチュオン・クアン・ギア交通運輸相は、本人に手紙を送り手柄を称えた。また、国家交通安全委員会は「黄金のハンドル賞」を授与した。更に、ペトロリメックス保険株式総会社[PGI](Petrolimex Insurance Corporation＝PJICO)も車両修理補償金2000万VND(約9万1300円)及び有効期間5年間の民事責任保険契約を贈った。