ベトナムの地下水汚染、多くの都市で深刻なレベル

2013/05/31 06:10 JST配信

 国内各都市の生活用水の30~50%を占める地下水の量が減少すると共に、深刻なレベルの水質汚染が進んでいる。資源環境省と日本の国際協力機構(JICA)がこのほど共催したセミナーでこうした実態が明らかにされた。21日付コンアンニャンザン紙(電子版)が報じた。

 環境総局によると、地下水を汲み上げている浄水場は全国に300か所以上あり、設計上の給水能力は1日当たり約147万立方メートルに上る。しかし実際は60~70%の量しか利用できていない。地下水の塩水化や細菌・重金属による汚染が進行しているためだ。

 ハノイ市では、リン酸塩の濃度が許容濃度を超えている井戸が全体の71%を占める。東北部のハザン省トゥエンクアン省の一部の地域では、地下水の鉄濃度が許容濃度を大幅に超えている。紅河デルタ地方と南部のメコンデルタ地方では、ヒ素濃度やアンモニア濃度の高い地域が分布している。

 こうした水質汚染は、工業廃水や農業で使用される化学肥料や農薬、都市化の進行と地下水の無計画な汲み上げなどが主な原因だ。資源環境省の専門家は、環境汚染の取り締まりは困難な上、現行の罰金額が低いため歯止めになっていないと指摘している。

[CAND online,14:36:00 21/05/2013,O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ハノイ市の人々が生活に使用している地下水が、ヒ素に汚染され始めている。米コロンビア大学の科学者ら...
 世界銀行(WB)が19日から21日にかけて開催した「ホーチミン市の都市開発」についてのセミナーで、環境分...
 ハノイ市で29日、保健省とタイのチュラブホーン研究所の共催によるセミナー「ヒ素と人の健康への影響」...
 ホーチミン市資源環境局によると、同市住民のおよそ3分の1が生活や商売用に、硝酸塩や大腸菌で汚染され...
 ホーチミン市資源環境局環境保護支局の観測により、同市の多くの地域で地下水が基準値を大幅に超える大...
 保健省は4日に開かれたヒ素汚染水の使用による中毒の予防に関するセミナーで、ベトナムでは地下水がヒ...

新着ニュース一覧

 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
 英国タイムズ紙(The Times)が発行する高等教育情報誌「タイムズ・ハイアー・エデュケーション(The Time...
 ホーチミン市輸出加工区・工業団地管理委員会(HEPZA)によると、同市の工業団地・輸出加工区は2020年か...
トップページに戻る