南中部沿岸地方ダナン市ホアバン郡ホアフオック村における考古学発掘調査で、チャンパ王国時代の寺院の基礎と遺物数百点が発見された。同市で発見されたチャンパ王国の遺跡はこれが6件目で、遺跡の規模も大きいという。
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ハノイ市人文社会科学大学の専門家らは、同村のクアザン2地区で発掘調査を実施。約20日間で面積1200m2を発掘したところ、0.5~2mの深さから多数の砂岩彫刻や建築用レンガの破片が出土。また3基のレンガ建造物の基礎も検出された。砂岩彫刻はマカラ(インド神話に出てくる怪魚)や神像で、建築用レンガには文様が刻まれている。
ダナン市チャム彫刻博物館のハー・タン・ロアン副館長によると、発掘調査で出土した遺物や検出された建造物の基礎遺構はいずれも、南中部沿岸地方クアンナム省に現存するチャンパ王国の寺院遺跡であるクオンミー遺跡やチェンダン遺跡のものと類似しているという。遺跡の年代は10世紀ごろと見られている。
同遺跡では、更なる歴史の解明に向け発掘調査が続けられる。ダナン市は各関連機関に対し、遺跡を保護するよう指導するとともに、観光区として保存すべく整備する意向だ。
チャンパ王国は、2世紀から15世紀後半ごろまでベトナム中~南部の沿岸地方に存在したベトナムの初期国家。ダナン市やクアンナム省の地域は同王国の初期の中心地であり、同省の聖地ミーソン・港市ホイアン・王都チャーキエウの3か所を中心として栄えたとされる。