遺跡保存か開発か?高速道路用地に眠るチャンパ遺跡の行く末

2015/04/24 18:48 JST配信

 南中部沿岸地方ダナン市と同クアンガイ省を結ぶ高速道路の建設工事中、10~11世紀ごろのチャンパ王国時代の寺院跡と見られる遺跡が発見された。歴史的に大きな意義を持つ遺跡の保存か、経済発展と交通利便性向上のための高速道路開発か、関係者らは選択を迫られている。

 ダナン~クアンガイ間高速道路建設案件は、国際協力機構(JICA)及び世界銀行(WB)の支援を受けたもので、2014年初めに第1期が着工。全長140km(高速道路131.5km、連結道路8.02km)、幅26m、4車線の高速道路を建設している。

 2014年末、同高速道路の一区画に当たる南中部沿岸地方クアンナム省ズイスエン郡ズイチン村チエムソン村落で、工事中に地面を掘削していたところ、地表面から約30cmの深さに埋まったレンガ列が発見された。これを受けて工事は一時中止となり、ベトナム考古学院による発掘調査が開始された。

 ダナン市とクアンナム省の地域はチャンパ王国の初期の中心地で、聖地ミーソン・港市ホイアン・王都チャーキエウの3か所を中心として栄えたとされている。特にチエムソン村は王都チャーキエウにほど近く、同村周辺にチャンパ遺跡が存在していることは専門家の間でも認知されていたものの、調査は行われていなかった。

 考古学院は今回の調査で面積2000m2を発掘。当時の瓦やレンガ、土器など多数の遺物を発見したが、未だ遺跡の全体像をつかめておらず、発掘面積を更に1800m2拡張したい考えだ。ただし調査により工事の進捗に遅れが出ており、調査の続行について工事の請負業者が同意していないことから、現在は発掘調査自体も中断されている。

 当初計画では、4月30日までに発掘調査を終えて土地を引き渡すことになっていたが、今後の計画については決定していない。このまま行くと、この遺跡は高速道路の下に埋められることになる可能性が高い。国内各地で開発が進む中、これまで大きな問題として取り上げられてこなかった遺跡保存と開発の共存について考えなければならない時期が来たようだ。

© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 ダナン(南中部沿岸地方ダナン市)~クアンガイ(同クアンガイ省)間高速道路案件における違反で、同案件の...
 ダナン(南中部沿岸地方ダナン市)~クアンガイ(同クアンガイ省)間高速道路案件における違反で、公安省傘...
 交通運輸省は2日、ベトナム南北高速道路網の一部であるダナン(南中部沿岸地方ダナン市)~クアンガイ(同...
 ベトナム高速道路開発投資総公社(VEC)は、ベトナム南北高速道路網の一部であるダナン(南中部沿岸地方ダ...
 ベトナム高速道路開発投資総公社(VEC)は7月30日、ベトナム南北高速道路網の一部であるダナン(南中部沿...
 交通運輸省およびベトナム高速道路開発投資総公社(VEC)は2日、ベトナム南北高速道路網の一部であるダナ...
 南中部沿岸地方ダナン市と同クアンガイ省を結ぶ高速道路の建設工事中に発見された、チャンパ王国時代の...
 南中部沿岸地方クアンナム省にある世界遺産ミーソン聖域の宝物庫「E7」で、2011年10月末から4年近くに...
 南中部沿岸地方ビンディン省アンニョン町ニョンロック村のチュオンクー地域における考古学発掘調査で、...
 南中部沿岸地方ダナン市ホアバン郡ホアフオック村における考古学発掘調査で、チャンパ王国時代の寺院の...
 ダナン~クアンガイ間高速道路建設案件は、土地収用が完了したことを受け、今年初めに第1期建設工事が...
 南部社会科学研究所と日本の昭和女子大学の考古学研究チームはこのほど、南中部クアンナム省ズイスエン...

新着ニュース一覧

 店主の一家が次々とこの世を去った後、フン・リンさん(女性)とゴック・リエンさん(女性)は、市場の路地...
 ベトナムの株式市場が21日付けで、インデックス開発大手の英FTSEラッセル(FTSE Russell)による市場分類...
 ベトナムで18日、米アップルの「iPhone 18」シリーズが発売され、全国の主要販売店で初日に数万台が事...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 インドの旅行雑誌「トラベル・アンド・ツアー・ワールド(Travel And Tour World=TTW)」が先般発表した...
 英国タイムアウト誌(Time Out)は16日、毎年恒例の「世界で最もクールな街トップ40(The 40 Coolest Neig...
 建設省は、外国の組織および個人の住宅所有権に関する規定の見直しを進めている。住宅法改正案で、外国...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、ベトナムの石炭火力発電所で...
 日本全国で「イオンシネマ」を運営するイオンエンターテイメント株式会社(東京都港区)などが出資するイ...
 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の
 韓国の教育企業であるハンエデュテック(Han Edutech)内のOK-TEST職業韓国語能力試験委員会はこのほど、...
 地場タクシー大手のビナサンタクシー[VNS](Vinasun)はこのほど、不動産開
 政府は9月3日付で、外資系投資家および外資系経済組織の物品売買・関連活動を規定する政令第342号/2026...
 地場のフィットネスチェーン大手であるシティジム(Citigym)は、全社的な事業再編に伴い、10月1日付けで...
 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)系の電
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計(推計値)によると、2026年8月の訪日ベトナム人数は前年同月比▲7.5...
トップページに戻る