国内で新たに女性2人が蚊の媒介を主な感染源とする「ジカウイルス(Zika virus)」に感染していたことが明らかになった。2人はいずれも感染地域への渡航歴がなく、周囲に同じ症状の人は出ていないとのこと。
(C)ホーチミン市人民委員会, Tuoi Tre |
このうち東南部地方ビンズオン省トゥアンアン町在住の女性(27歳)は発疹、発熱、筋肉痛、結膜充血の症状で病院を受診し、血液検査の結果ジカ熱に感染していることが確認された。女性は現在妊娠中だが容態は安定しており、妊娠中は引き続き経過観察が行われる。
もう1人の女性(28歳)はホーチミン市9区在住で発疹、発熱、筋肉痛、関節痛の症状で病院を受診し、血液検査の結果ジカ熱に感染していることが確認されたが、治療を受け容態は安定している。
保健省はこれを受けてホーチミン市とビンズオン省の保健局に対し、患者2人が居住する地域住民の健康状態の経過観察と感染源の調査を指導した。これに先立ち、ホーチミン市パスツール研究所は患者の自宅周辺の蚊の駆除を実施している。
ベトナムはジカ熱流行地域に認定されたが、地域移動は制限されていないため、今後も感染拡大が危惧されている。このため保健省は、移動後14日間は自主的に体調を観察し、異変があれば直ちに医療機関を受診し移動歴や症状を申告するよう指導しているほか、蚊や蚊の幼虫(ボウフラ)の駆除や長袖・長ズボンの着用、蚊取り線香・蚊除けスプレー・蚊帳の使用を呼び掛けている。
また予防医療局は母子健康局と協力し、ジカ熱感染の疑いがある妊婦について調査、経過観察を強化している。