テト(旧正月)が近づく頃になると、故郷を離れて出稼ぎで働いている労働者の多くはまとまった現金が必要になる。高利で苦しむことが分かっていても、取り立てが厳しく、暴力を振るわれたり殺すと脅されたりすると知っていても、仕方なく闇金融に手を出してしまう光景が毎年繰り返されている。
東南部地方ビンズオン省労働連盟のグエン・ティエン・フオック副委員長によると、労働組合や労働当局は労働者に対し、闇金融から金を借りずに労働組合の支援基金など信用の置ける機関に相談するよう呼び掛けている。しかし借金の需要が多いため、全ての求めに応じることは難しい状況だという。借金を苦にして自殺してしまったケースも出ている。
一方、労働組合の支援が功を奏している例もある。東南部地方ドンナイ省第2ビエンホア工業団地のテグァンビナ(Taekwang Vina)社の労働組合は約3万4000人の労働者のために、2015年から様々な支援策を展開している。格安スーパーの開業や無利子購入ローンの提供などのほか、2016年には5000人余りの労働者の総額1000億VND(約5億0500万円)の銀行融資を保証して、闇金融からの借金を抑制した。