メコンデルタ地方ドンタップ省カオライン市ティントイ村ティンミー村落在住のチャン・ティ・ゴック・ニーさん(26歳、女性)の“水草ファッション工房”は、この地方では有名な存在だ。この工房では、水草で作ったユニークなファッションバッグを制作しており、国内市場だけでなく、米国、オーストラリア、カナダ、日本などにも商品を輸出している。
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ニーさんは2015年にドンタップ大学の金融学部を卒業後、民芸品制作の実家の稼業を継いで、水草を使った民芸品を作り始めた。ハンドメイドによる独創的かつ繊細なデザインの水草バッグが評判となって、多くの土産物屋や観光地で商品が取り扱われるようになり、その後も国内外の消費者の心をつかむべく、斬新なデザインを追求し続けた。
ニーさんが最初に販売した水草バッグは、シンプルな3種類のデザインのみだったが、現在は400種類もの豊富なデザインのバッグを販売している。一部のデザインはオーダーメイド、残る大半はニーさんがベトナムや世界のトレンドに合わせてデザインしたものだという。
ニーさんは、2016年に現在の“水草ファッション工房”を設立。20人以上の従業員が働いており、地元の雇用創出にも一役買っている。月給は300万~450万VND(約1万4000~2万1000円)とのこと。工房では毎月5000~1万点の商品を出荷。各商品の市場販売価格は数十万VND(※10万VND=約465円)で、月1億VND(約46万5000円)以上の収益を上げている。ファッションバッグ以外にも椅子やフロアマット、コースターなどの各種インテリアも制作。伝統的な販売チャネルだけでなく、ザロ(Zalo)、フェイスブック(Facebook)といったソーシャルネットワークや動画共有サービスのユーチューブ(YouTube)なども活用して外国にも販路を広げている。