「あなた…このままだと突然死のリスクがありますよ」。この医師の言葉でチュオン・ティ・イー・ニーさん(44歳)はダイエットを決意し、20年間も慣れ親しんだ130kgの身体に別れを告げることにした。
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東南部地方ビンフオック省出身のニーさんは、ホーチミン市でアートメイク専門スクールを経営しており、この業界の第一人者として知られる。若いころはスリムな体型の持ち主だったが、大病後の長期にわたる治療の副作用や出産、仕事のストレスなどが重なったことで体重がどんどん増えていった。
いつしか130kgの巨体となり、周囲からは「まるでお相撲さんのよう」「歩くより転がった方が速い」など、心無い言葉を浴びせられることも日常茶飯事だった。しかし、愛情深い良き夫と子供がおり、ビジネスで成功をおさめて、経済的にも余裕があったため、周囲の言葉は気にならなかった。
そんな彼女だったが、医師の言葉はさすがにこたえた。実際、ニーさんは長年健康の不安を抱えており、動悸や息切れ、睡眠時無呼吸症候群、関節痛、高血圧、高脂血症など様々な病気で苦しんでいた。
医師の宣告をきっかけに、ニーさんは自分との戦いを決意。2020年からクリーン・イーティング(加工食品や添加物を避け、体に良い自然の食材を摂取すること)とインターミッテント・ファスティング(IF=断続的断食)を組み合わせたダイエットと運動を開始。
固い決意でダイエットに臨んだ結果、1年あまりで体重を59kgまで減らすことに成功した。
昨年中、新型コロナ対策に伴う社会的隔離措置が続いていたことで半年ぶりに実家に戻ったニーさん。母親が自分の娘だと分からないほどの変貌ぶりで、夫と一緒にいた際は、夫が離婚して別の女性と再婚したと勘違いする人もいた。
ニーさんは、「体重が減った後、不眠症もなくなりました。健康診断では、関節疾患や脂肪肝なども完治し、健康な身体を満喫しています。20年ぶりにアオザイを着ることもできました」と喜びを語った。