「ナパーム弾の少女」、50年間の皮膚治療が完了

2022/07/06 06:22 JST配信

 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」に写る当時9歳の少女だったカナダ国籍のファン・ティ・キム・フックさん(59歳)は6月28日、米国のマイアミ皮膚科・レーザー研究所で最後の皮膚治療を受けた。同研究所では、フックさんの来歴を知って、2015年から無料で治療を行っていた。

(C) vnexpress
(C) vnexpress

 フックさんはベトナム戦争中の1972年6月8日、東南部地方タイニン省チャンバン郡の村を襲ったナパーム弾の爆撃から命からがら逃げ出したが、全身に重度の火傷を負った。

 ベトナム系米国人の報道カメラマンのニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)さんは、「戦争の恐怖」の撮影直後に負傷した子どもたちをサイゴン(現在のホーチミン市)の病院に連れて行った。医師らは当初、フックさんは助からないと治療を断ったが、ウットさんが報道カメラマンと知ると態度を変えて治療した。

 フックさんは1年以上入院し20回近く手術したが、普通に歩けるようになるまでには、それからの10年間に数回の手術を必要とした。肉体的・精神的な苦しみに耐えかねて、自殺を試みたこともあったという。

 その後もフックさんとウットさんは連絡を取り合い、家族のような付き合いを続けている。フックさんは、丸裸の写真を発表されたことでウットさんに腹を立てた時期もあったが、50年の時が過ぎた現在は、戦争の恐怖という歴史的な瞬間を記録してくれたことに感謝している。

[Ngoi Sao 09:21 01/07/2022, O]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」に写る「ナパーム弾の少女」として知られている当時9歳だったカ...
 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」に写る当時9歳の少女だったカナダ国籍のファン・ティ・キム・フ...
 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」でピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞したことで知ら...
 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」でピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞したことで知ら...
 ベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」でピューリッツァー賞ニュース速報写真部門を受賞したことで知ら...
 AP通信の報道写真家でベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏が撮影...
 AP通信の報道写真家でベトナム系米国人のニック・ウット(ベトナム語名:フイン・コン・ウット)氏は8日...

新着ニュース一覧

 ホーチミン市人民委員会は21日、12月の商業運転開始を予定している都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~...
 21日から23日までの日程でマレーシアを公式訪問中のトー・ラム書記長は21日、最高儀礼に則り盛大に執り...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ドミニカ共和国を公式訪問中のファム・ミン・チン首相は現地時間20日、ルイス・ロドルフォ・アビナデル...
 午後3時、ハノイ市ハイバーチュン区ファムディンホー街区在住のグエン・ゴック・クアンさん(男性・61歳...
 米不動産サービス大手クッシュマン&ウェイクフィールド(Cushman & Wakefield=C&W)がこのほど発表した...
 南中部高原地方総合病院は19日、自宅で調理したヒキガエルの肉と卵を食べた児童2人が中毒を起こしたと...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)傘下の政策開発研究所が先般発表した...
 医療機関向けパッケージソフトウェアの製造・販売を手掛ける株式会社エクセル・クリエイツ(大阪府大阪...
 ハノイ市ナムトゥーリエム区の国立展示建設センター(1 Do Duc Duc, quan Nam Tu Liem, TP. Ha Noi)で、...
 米空軍は南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット空港で20日、ベトナム空軍に米国製の練習機「T-...
 ブイ・タイン・ソン副首相は19日、北中部地方タインホア省で計画されているWHAスマートテクノロジー工...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 チャン・ホン・ハー副首相は、輸入車両と国内製造・組み立て車両に求められる排ガス基準の適用ロードマ...
 スマートプロジェクターとレーザーテレビの設計・製造を手掛ける中国のエクスジミー(XGIMI)はこのほど...
トップページに戻る