- 公務執行上の職権乱用容疑で社長逮捕
- 容疑者逮捕を受けて既に社長職を解任
- 事件続きのVEAMでは元会長らが禁固刑
農業機械・トラックの製造・組立やトヨタなどの大手自動車メーカーとの合弁事業を手掛ける大手国営企業ベトナム動力農業機械総公社[VEA](Vietnam Engine And Agricultural Machinery=VEAM)のファン・ファム・ハー社長(男・49歳)が逮捕された。
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ハノイ市警察経済警察部から容疑者逮捕の知らせを受けた同社は、10日付で同氏の社長の職を解任した。違反内容は明らかにされていないが、刑事法第356条に抵触した公務執行上の職権乱用容疑で捜査を受けているという。
これに先立ち、VEAでは複数の違反事件が発生しており、同市人民裁判所は2022年5月、チャン・ゴック・ハー元会長に禁固11年、ラム・チー・クアン元社長に禁固8年の判決を下した。2人は公的資産の使用・管理に関する国家規定に違反し損失・浪費をもたらした罪に問われていた。
また同社を巡る別の事件では2023年12月、同様の罪に問われていたグエン・タイン・ザン元社長とラム・チー・クアン元会長が、5年の禁固刑をそれぞれ言い渡されている。
VEAは商工省が株88.5%を保有して筆頭株主となっている。同社は、ホンダベトナム(Honda Vietnam=HVN)株30%、フォードベトナム(Ford Vietnam)株25%、トヨタベトナム(Toyota Vietnam)株20%を保有。同3社への出資持分はVEAの業績に大きく貢献し、合弁・関連会社関連収益が同社の最終利益の大部分を占めている。
2023年の業績について、HVNやトヨタベトナムなどによる合弁・関連会社関連収益が5兆6401億VND(約350億円)に上り、税引前利益の86.5%に貢献した。親会社株主帰属利益は6兆2011億VND(約380億円)、1株当たり利益(EPS)は4667VND(約29円)だった。