- 1人暮らし高齢者や高齢者夫婦の割合上昇
- 老人ホームに対する見方が徐々に変化
- 大手企業も高齢者介護サービスに投資
統計総局(GSO)によると、ベトナムの1人暮らしの高齢者の割合は、2009年の9.68%から2019年には13.74%に上昇した。高齢者夫婦だけの世帯の割合も8.69%から14.09%に上昇した。
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日常生活に不便を抱える高齢者の数が増え、老人ホームに対する昔ながらの見方が徐々に変化している。統計総局と国連人口基金(UNFPA)の調査結果によれば、高齢者とその家族の36%は、「高齢者介護サービスに費用を支払う用意がある」と回答している。
こうした変化を反映して、地場の複数の大手不動産会社が高齢者介護サービスへの投資に乗り出している。地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)は今年3月、ウェルグループ(奈良県大和郡山市)とベトナムにおける医療介護ヘルスケア事業の協業について覚書(MOU)を締結した。観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sungroup)も、郊外型リゾート都市モデルに沿って、養護老人ホームや専門病院を含む「サンアーバンシティ」案件を展開している。
現在、全国には約400の老人ホームがあるが、約50%は慈善施設または国が投資した施設だ。老人ホームの需要は増えており、国に投資誘致政策の拡大を求める声が多い。ベトナム不動産仲介協会(VARS)は、老人ホーム開発企業に対する法人税の減免や低金利ローンの提供などを検討するよう国に要請している。
国連人口基金によると、ベトナムは人口の高齢化が速く進行し、60歳以上の人口は2019年の11.9%から2050年には25%余りへと2倍以上に膨らむと予測されている。