- 日本国籍の少年(当時10歳)の溺死事故
- ビントゥアン省警察、捜査の再開を決定
- 鑑定の結論で複数の違反確認
ホーチミン市7区在住の日本国籍の少年(当時10歳)が、2022年4月上旬に南中部沿岸地方ビントゥアン省ファンティエット市にあるリゾート「センタラ・ミラージュ・リゾート・ムイネー(Centara Mirage Resort Mui Ne)」のプールで溺死した事故について、ビントゥアン省警察は、建設省建設品質国家鑑定局傘下の建設管理・検査技術開発センターによる鑑定の結論を踏まえ、捜査の再開を決定した。
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ビントゥアン省警察が受け取った、同センターによるプールの鑑定の結論によると、◇ジェットマッサージプールシステムの設計・施行・検収基準が承認されていないこと、◇建設法の規定に従って技術設計の評価を実施していないこと、◇海外の基準を適用した技術設計ではあるが、吸引口の水流速度の計算・確認作業や、吸引口の詳細設計・技術的要件の具体化などを実施しなかったこと、◇吸引口のカバーの検査・検収が行われなかったこと、などの違反があった。
同事故については、ファンティエット市警察が2022年5月に「業務上過失致死」の疑いで刑事事件として立件。その後、同年7月に「プールの状態と作動原理は適切だった」との鑑定結論を発表した。この時の鑑定の結論では、プールの設計書と実際の施工は合致しており、プールに設置された設備、プール内の設備設置にかかる技術やプールの活動状態は、いずれも設計通りとしていた。
また、プールの水を浄化するための吸引・ろ過・排出システムの作動原理も設計に合致し、プールの活動原理上、水泳中または吸引口の位置に立つ身長1.4m、体重39kgの人間を死に至らしめる吸引は不可能と結論付けていた。
捜査の再開に伴い、ファンティエット市警察はビントゥアン省警察に書類を送致し、ビントゥアン省警察が同事件の捜査を受理することになった。