- 全体の約31%が最低のA1・A2レベル
- 英語科と他教科では英語力に大きな差
- 英語科教員の8%は最高レベルのC2

ホーチミン市教育訓練局はこのほど、市内の公立学校に勤務する約5万人の教員を対象に実施した英語能力調査の結果を公表した。この結果、全体の約31%がヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のA1またはA2、すなわち最も低いレベルにとどまっていることが明らかとなった。
![]() イメージ画像 |
調査は4月下旬、ケンブリッジ大学英語検定機構によるオンライン形式で実施され、リスニング、リーディング、ライティングの3技能を90分の試験時間で測定した。CEFRでは、A1~C2の6段階で評価しており、最低がA1(学習を始めたばかりの者・初学者)、最高がC2(母語話者と遜色のない熟練者)となっている。
試験を受けた教員のうち、英語科の教員は約4700人だけで、他は他教科の教員だった。試験を受けたのは総勢約5万0300人で、このうち小学校教員が約2万2300人で半数近くを占めた。
信頼性のある回答に限ると、B1に達した教員は41%、B2以上は28%、B1未満は31%となった。特に高校教員はB2・C1の割合が45%と比較的高かったが、B1未満も30%いた。
英語科と他教科の教員間では、やはり英語力に大きな差が見られた。英語科教員のうち8%が最高レベルのC2だったのに対し、他教科教員でC2に達した者はいなかった。C1を見てみると、到達率は英語科教員が45%だったのに対し、他教科教員はわずか2%にとどまった。
教育訓練局は、今回の調査結果を今後の語学研修や教員育成プログラムの策定に活用する方針を示しており、「英語を学校教育における第二言語として定着させる」ことを長期目標として掲げている。なお、今回の調査結果は、評価・昇給・表彰といった人事上の判断には使用しないとのこと。