- 違法配信システム「VThanhTV」構築
- 5000人超の利用者集める
- 個人情報流出や口座乗っ取りのリスクも
北部地方バクニン省に住む高校1年生が、国内外の約1000チャンネルのテレビ番組を違法配信する大規模なシステム「VThanhTV」を構築し、5000人超の利用者を集めていたことが判明した。
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この若いハッカーは安価なスマートフォン1台を使い、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のテクノロジー系の非公開グループで得た知識を活用し、「K+」や「VNPT」などの有料チャンネルの暗号を30秒以内に解読できた。ただし、「VTVcab」のシステムだけは突破できなかったという。
「VTVcab」は、「L1 DRM」方式という、「ネットフリックス(Netflix)」や「ディズニープラス(Disney+)」と同等の暗号化技術を採用しており、高度なセキュリティを採用している。
今回の件は、国内の有料テレビ事業者の多くが、重大なセキュリティホールを抱えていることを浮き彫りにした。主な要因としては、デジタル著作権管理(DRM)ポリシーの欠如や、パーソナライズされたウォーターマークの未導入が挙げられる。これにより、ハッカーはコンテンツを録画・複製し、追跡されることなく共有できてしまう。
「VThanhTV」のようなグループは、単独ではなく、国境を超えた海賊版ネットワークの一部である可能性が高いとみられる。こうしたグループは秘密裏に組織され、多重ルーティングを用いて配信信号を隠蔽しつつ、低価格で違法チャンネルパッケージを販売している。
違法視聴による影響は、テレビ局の収益損失だけにとどまらない。海賊版プラットフォームにはマルウェアやフィッシング広告が仕込まれ、個人情報の流出や銀行口座の乗っ取りといったリスクもある。