ベトナムに住む外国人の若者たち

2005/11/18 07:15 JST配信

 排気ガスよけマスクをつけて50ccのカブを走らせる様子を見る限り、キム・ヨン・スックは生粋のサイゴンっ子そのものだ。ベトナム人に見えるのも当然。この韓国人の女の子は4年もホーチミン市に暮らしているのだ。彼女のように、就職先としてベトナムを選ぶ外国人の若者は少なくない。

「私はベトナムを選びます」

 SKインターナショナル社の支社長トミー・リムは、タイ、日本、中国、インドとさまざまな国を旅した末、運命の国ベトナムにたどり着いた。ベトナムは暮らしやすく、治安がよいのが魅力という。当時の勤務先は、ベトナム定住に反対したが、彼はすぐに転職、一旗揚げようとベトナムにやってきた。妻子ももうすぐ呼び寄せる予定だ。「家族のため、祖国のため、ベトナムのために頑張らなくっちゃね。たぶんずっとベトナムに住むと思うよ。」と彼は言う。

 キム・ヨン・スックは、ホーチミン市人文社会科学大学ベトナム学科の4年生。大学で言語、地理・歴史・文化を勉強するかたわら、アルバイトで通訳をし、おまけに韓国語も教えている。スックは卒業後も、通訳者・翻訳者としてベトナムに長期滞在すると決めている。「だって韓国で働くより、よい仕事が見つかるから」とスックは言う。

 「ベトナムゴ ムズカシイヨ!」

 トミーは怪しい声調のベトナム語でこう答えてくれた。彼は毎日の仕事の後、夜間のベトナム語教室に通い、その上家庭教師までつけている。とはいえ、勉強を始めて3ヶ月たった今も、ベトナム語、特にベトナム語特有の声調には「お手上げ」だ。ベトナム人の友人ができたことが、今のところ最大の収穫だという。彼はベトナム人と会うといつも決まって「私はまだベトナム語があまり話せません」と宣言する。そうすればベトナム人がゆっくり喋ってくれるからだ。

 ベトナム語学科3年目のスックにとって、ヒアリングは「たいした問題じゃない」。彼女の頭痛の種は、自分のベトナム語が、「南部訛と北部訛どっちつかず」であることだ。さまざまな地方出身のベトナム人と付き合った結果、訛が交じり合って、もはやいずれかの地方の訛への統一は不可能になってしまったのだという。

 「ナンバーの写真だけは勘弁ね!」

 50ccカブの購入に至るまで、スックはあらゆる交通手段を試してみた。ベトナムに来たばかりのころ、スックは自分がバイクを「乗りまわす」日が来るなんて夢にも思わなかったという。最初はバイクタクシーを利用した。しかしながら、バイクタクシーは学生の財布には痛い出費。1ヶ月の後、「サイゴン探索のため」自転車を購入した。トゥードゥックのキャンパスに通うときはバスだ。6ヶ月後、スックはホンダの中古カブを手に入れた。「外国人のバイク登録は難しいから、私は人にバイクを譲ってもらったの。50cc以下なら免許もいらないから便利よ。」と彼女は得意顔だ。

 ゲオルク・シュナイダーは、もっと「怠け者」だ。彼はバイクを月ぎめ75ドルで借りている。そんな大金払うなら、数ヶ月で1台バイクが買えるのに、と友人はアドバイスするが、ゲオルクは意に介さない。修理とか、メンテナンスとか、面倒くさい雑事から解放されるからだ。「ドイツでは車の免許を持っていたけど、僕はここでは無免許なんだ。お願いだからバイクのナンバーだけは撮らないでね。公安に捕まっちゃう。」と彼は笑う。一度友人の田舎に遊びにでかけ、公安に捕まってしまったが、これは例外。普段彼はバイクをトロトロとしか走らせないため、そんなことはないという。「交通公安を目にしたら、まるで気がついていないふりをして別の場所に逃げるのさ。目が合えばきっと尋問されちゃうからね。」彼は秘訣をこう明かす。

© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

新着ニュース一覧

 半導体原料の黄リンで世界需要の3割分を生産するドゥックザン化学[DGC](D
 労働、社会保険、および契約に基づくベトナム人労働者の海外派遣分野における行政違反の処罰に関する政...
 北中部地方タインホア省警察は20日、大規模なダイヤモンド密輸事件の捜査を拡大し、ホーチミン市人民委...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 南中部地方クアンガイ省ゴーコー村の岩場では、製塩を行う住民が、天日にさらした海水を岩のくぼみに少...
 米国の世論調査・コンサルティング会社ギャラップ(Gallup)が発表した世界の職場の従業員意識調査「Stat...
 南中部地方クアンガイ省のリーソン特区で開催されたミスコンテスト「ミス・ツーリズム・アイデンティテ...
 国内最大手の格安航空会社(LCC)ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)の会
 コンサルティング会社ヘンリー&パートナーズ(Henley & Partners)が発表した最新のパスポート自由度ラ...
 東南部地方ドンナイ市警察は、同市内の国道1号線で発生した寝台バスの炎上事故に関連し、安全規定に違...
 ホーチミン市文化スポーツ局の報告によると、市内にある168の街区・村・特区を調査した結果、計31の街...
 建設省傘下ベトナム航空局(CAAV)が発表した2026年上半期(1~6月)の航空輸送実績によると、中東地域の紛...
 ベトナムの鉄骨構造物製造大手であるダイズンコーポレーション(DaiDung Corporation)が、米国の戦略的...
 プリント基板などの設計・製造販売および付随業務の電子関連事業を手掛ける株式会社メイコー(神奈川県...
 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)は21日、数字選択式宝くじ「パワー6/55...
 農業環境省傘下水文気象局は、2026年後半から2027年前半にかけてベトナムに影響を及ぼすエルニーニョ現...
トップページに戻る