ベトナムを耕す日本人青年、「自国民の手で安全な野菜を」

2013/12/15 08:13 JST配信

 プロジェクトに携わって5年が過ぎた頃、彼は一緒に経験を積み、農業の厳しさを分かち合ってきたベトナム人農家たちと、南中部高原地方ダクラク省で起業することになる。2010年7月、1000平方メートルの土地を借り、自ら畑を耕して有機野菜の試験栽培を開始した。

(C) Vnexpress, 塩川実さん
(C) Vnexpress, 塩川実さん
(C) Vnexpress, 塩川さんの栽培した有機野菜
(C) Vnexpress, 塩川さんの栽培した有機野菜

 初めは生産量も少なく、自給自足がやっとだった。また、当時の有機野菜の価格は普通の野菜の2~4倍もしたため、市場に出すのは難しかった。だが、調べていくうちに、ホーチミン市に住む日本人コミュニティの中で有機野菜への需要が高まっていることを知る。市場に安全性が疑問視される中国野菜が溢れていたからだった。また同じ頃、彼のもとに有機農業をやりたいという日本から帰国した実習生たちが集まっていた。

 2011年、農薬や化学肥料を使用せず、厳しい環境保護基準をクリアした新鮮な「ニコニコ野菜」の販売を開始、ダクラク省バンメトート市からホーチミン市に向けて出荷した。彼は各家庭から個別に予約を受け、配送業者が日本語がわからないため、自ら配達して回った。

 有機農業は、気候の変化や病虫害など様々な要素に左右される大変な仕事だ。最初はほとんど利益がでず、丸1年は赤字が続いたという。だが、有機農業に賭ける塩川さんの決心が揺らぐことはなかった。

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