ベンチェ省で日本の建設用防護ネットを修繕する人々

2016/12/04 05:46 JST配信

 建設現場から取り外されたばかりのネットには、まだセメントとロープがついたままになっている。一部のセメントは硬い塊になってしまっているため、木製ハンマーを使って叩き落とす。叩く時は、ネットに傷をつけないようにちょうど良い力加減でなくてはならない。ロープにこびりついた頑固なセメントの塊はナイフを使って削ぎ落とす。

(C) tuoitre, Mau Truong
(C) tuoitre, Mau Truong

 ネット洗浄エリアでは、かなりの重量になるネットを洗濯槽から引き上げ、乾燥機に入れていく。この工程が一番労力のかかる作業になるため、工場内のほとんどの男性がこの工程に集中している。

 ネット修繕作業に使う道具は、ネットを縫うための針、糸、テープ、ライターとシンプルなものだ。これらの全ての道具は日本側から支給されている。余った道具や穴が多すぎて修復不可能なネットは破棄され、作業員が家に持ち帰ったりすることはできない。また、日本側は毎年、修繕技術を教えるため専門家を工場に派遣している。

 副監督のニュンさんによると、この仕事は給与が1か月400万VND(約2万0300円)前後とあまり高くないが、安定しており、また日本の技術を身につけることができるため、応募する人はとても多いそうだ。求人を出した翌日にはすでに採用者が決定しているほどだという。

 第3グループ長のニャンさんは、この仕事をしながらたった1人で2人の子供を養っている。ニャンさんの夫が亡くなった時、ニャンさんは2人目の子供を妊娠中だったが、1人で家計を支えなくてはならなかった。「安定した仕事のおかげで子供のためのお金を稼ぐことができています。現在、子供の1人は学校を出て働き始め、もう1人は薬学を勉強しています」とニャンさんは教えてくれた。

 ベンチェ省労働傷病兵社会局のグエン・ミン・ラップ局長によると、ベンチェ省にあるこの工場は、ベトナムで唯一の日本向け建設用防護ネット修繕工場なのだという。ネット修繕工場は毎年300万USD(約3億4200万円)の売上高を出し、地域で300人程度の雇用を生み出している。これまで22年間の受注を通じて品質に対する信頼と保証を得ており、更に長年に及ぶ パートナー関係の構築により、ベンチェ省はベトナムと日本の友好関係の1翼をも担っている。

前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

新着ニュース一覧

 国会常務委員会は、第16期(2026~2031年任期)国会の第1回臨時会議の召集に関する文書を発出した。同会...
 韓国法務省出入国・外国人政策本部はこのほど、「出入国・外国人政策統計月報」を発表した。  2026...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 戦死者(烈士)のフイン・バン・クエン(Huynh Van Quen)さんの身元がこのほど公式に確認され、発見された...
 ハノイ市にあるベトナム科学技術研究所(VAST)は、現在進行中の「烈士(戦死者)の遺骨捜索・収集・身元確...
 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)傘下のFPTソフトウェ
 外国人材紹介事業を展開する株式会社YSタレント(神奈川県横浜市)は、日総工産株式会社(同)およびベトナ...
 一般社団法人グローバル共生社会推進機構(GISPA、東京都国分寺市)は、日本の法務省認定の日本語オンラ...
 米スポーツ用品大手ナイキ(NIKE)が米国証券取引委員会(SEC)に提出した2026年度年次報告書によると、同...
 政府は、マネーロンダリング防止法および関連ガイダンス文書の実施上の困難や障害を解消するための特別...
 南中部地方ダナン市ソンチャー半島のバンコー(Ban Co)山頂で25日、ベトナムの茶文化を体験できる新しい...
 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)は25日、南中部...
 全国の20以上の空港を管理・運営するベトナム空港社[ACV](Airports Corpo
 南中部地方ラムドン省ニャンコー村(xa Nhan Co、旧ダクノン省)のニャンコー工業団地で26日、ベトナムで...
 ベトナム共産党中央執行委員会は、ハノイ市で第14期第3回会議を開催し、東北部地方クアンニン省と北部...
トップページに戻る