南中部地方クアンガイ省には、かつてソビエト連邦(ソ連)から寄贈されたヤシ林がある。企業からヤシ林を伐採してエビ養殖池を建設する提案があったものの、地元の指導者たちはこれを拒否し、このヤシ林を保存して観光開発に活用することを決めた。
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17~19世紀に貿易港として栄えたトゥーサー(Thu Xà)旧市街の外れに位置し、現在はクアンガイ省トゥーギア村(xã Tư Nghĩa、旧トゥーギア郡)に属するバイズア(Bãi Dừa)は、クアンガイ省で名の知れた観光地となっている。「ズア(Dừa)」は「ココナッツ」を意味する。
フオックザン(Phước Giang)川の支流であるブックホン(Vực Hồng)川が海へと注ぐ河口にある10ha超の敷地には、1000本以上のヤシの木が涼しげな木陰を作っている。その多くは樹齢を重ね、高さは20~30mにも達する。このヤシ林の始まりが、1982年にソ連から寄贈を受けて植えられた約500本の苗木であったことを知る人は少ない。
旧トゥーギア郡ギアホア村(xã Nghĩa Hòa)の共産党委員会元書記 兼 人民委員会元主席であり、40年以上にわたりこの地でヤシの成長を見守ってきたチャン・チュオン・ブーさん(男性・72歳)は、「当時、ソ連はトゥーギアでヤシ油工場を建設するプロジェクトを進めていて、原料を得るために約500本のヤシの苗木を寄贈してくれました」と振り返る。
ヤシ林ができる前、この地域は旧地主の名にちなんで「バイオンブオック(Bãi Ông Bước)」と呼ばれていた。低地の砂質土壌で、洪水の季節には一面が水没するため、地元住民は主にサツマイモやスイカを栽培していた。
ソ連から寄贈されたヤシの苗木は、やや塩分を含んだ海岸の砂質土壌にすぐに適応し、次第に河口一帯は緑に覆われていった。このヤシの実から採れるココナッツジュースは独特の甘みがあり、飲むとほんのり炭酸が効いたような爽やかさが感じられる。
その後、ヤシ油工場は操業を停止し、この地域は協同組合と地元自治体に管理が引き継がれた。原料供給地としての役目を終えた後も、ヤシ林は心地よい木陰を提供し、浸食を防ぐ役割を果たしている。









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