ある日の夜、グエン・タオさん(女性・22歳)はパソコンの前に座り、一言一句を入念にチェックしながら、顧客のラブレターを完成させていた。
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「告白屋」としてラブレターの校正をしているタオさんは、自分のサービスについてこう説明する。「内容はお客さん自身の気持ちですが、私は文字や音によって、それをより甘く表現するという任務があります」。
告白屋というアイデアは、2022年3月にタオさんが友人に「ひそかに好きな相手がいても、気持ちを伝える勇気がなかったら?」と聞かれたことがきっかけで生まれた。
友人の「恋愛アドバイザー」を何度か務めたタオさんは、他にも多くの友人が同じような状況にあることに気づいた。好きな人がいても、自分の言葉で相手を説得する自信がなく、あえて告白しようとしないのだ。
2022年7月、タオさんはSNSの学生グループに、手紙や音声で告白のお手伝いをします、と投稿した。わずか12時間で、この投稿は700件余りのリアクションと130件のコメントを集め、次々と「注文」が入った。
タオさんは、「告白屋」はお見合いサービスでもなければ告白代行サービスでもない、と付け加える。タオさんのサービスは、顧客が自分の好きな人に向けてしたためたラブレターをより誠実でより甘い言葉に直したり、よりスペシャルな告白の音声を作ったりするのを手伝うというものだ。料金は手紙や音声など種類によって1件につき7万~16万VND(約390~900円)となっている。
当初の目標は、顧客が告白する際に緊張したり混乱したりしなくて済むように、そして関係を始めるにあたって自信を持って愛を伝えることができるようにサポートすることだった。
しかしタオさんは、このサービスを1年余り続けていくうちに、利用者は好きな人に気持ちを伝えたいという人だけではないことに気づいた。昔の恋人や親友、はたまた自分自身に気持ちを伝えたい、というケースもあった。
「最近は、昔の恋人に気持ちを伝えるサービスが人気ですね」とタオさん。こうしてタオさんは、サービスの対象を拡大することに決めたのだった。