ベトナムを訪問中の高市早苗内閣総理大臣は2日、ハノイ市でレ・ミン・フン首相およびトー・ラム書記長 兼 国家主席とそれぞれ会談した。
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両会談では、日越間の「包括的戦略的パートナーシップ」を一層強化し、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現と進化に向けた連携を確認するとともに、経済安全保障分野を新たな優先分野と位置づけて協力を推進することで一致した。
高市首相とフン首相の会談では、経済安全保障分野における優先協力事項リストが発出されたほか、同日にはベトナム国家大学ハノイ校(VNU)で外交政策スピーチも行われた。
フン首相との会談:経済安全保障分野での優先協力
フン首相との会談に先立ち、フン首相主催の歓迎式典が行われた。
フン首相との会談で、両首脳は、厳しさを増す国際情勢の中で、双方の自律性・強靱性を高めることが重要との認識を共有し、エネルギー、重要鉱物、人工知能(AI)、半導体、宇宙、農業を日越協力の新たな優先分野として連携を進めることで一致した。
具体的には、「アジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップ(パワー・アジア)」の初の案件として、株式会社日本貿易保険(NEXI、東京都千代田区)を通じて、出光興産株式会社(東京都千代田区)などが出資するギーソン製油石化(Nghi Son Refinery And Petrochemical LLC=NSRP)が運営するギーソン製油所(北中部地方タインホア省)の原油調達を支援する。
また、レアアースを含む重要鉱物のサプライチェーン強靱化や、ベトナムの言語・文化を反映したAIモデルの共同開発、災害対策などにおける衛星データ利用の協力や宇宙産業における官民連携の推進などで合意した。さらに、高市首相は投資・経済協力環境の整備や、ベトナムにおける海賊版マンガサイト対策も求めた。
このほか、安全保障協力や海上法執行能力強化支援の具体化の推進や、領事分野での協力の強化でも一致した。
会談後、両首脳は文書交換式および共同記者発表を行い、経済安全保障分野における優先協力事項リストを発出した。
ラム書記長 兼 国家主席との会談:地域情勢への対応
同日に行われたラム書記長 兼 国家主席との会談でも、フン首相との会談と同様に経済安全保障分野での連携推進が確認された。
安全保障分野においては、両国の協議・交流の進展を歓迎し、地域の平和と安定に向けて海上法執行能力強化支援などの具体化を進めることで一致した。
さらに、南シナ海情勢や北朝鮮の核・ミサイル問題、拉致問題といったインド太平洋地域の重要課題についても意見を交換し、緊密に連携していくことを確認した。
高市首相はラム書記長 兼 国家主席に対し、2026年中の訪日を要請し、適切な時期に調整を進めることで合意した。
会談後は、ラム書記長主催の昼食会が行われ、和やかな雰囲気の中で懇談が行われた。
外交政策スピーチと地域情勢への対応
高市首相は同日、ベトナム国家大学ハノイ校(VNU)で「自由で開かれたインド太平洋」の進化に関する外交政策スピーチを行った。
高市首相は、複雑に絡み合った相互依存関係の中で、域内各国が自律性と強靱性を身につけることが「自由で開かれたインド太平洋」実現に不可欠だと強調した。
高市首相は、各国の自律性と強靱性の強化に向けて、◇エネルギー・重要物資のサプライチェーン強靱化を含むAI・データ時代の経済エコシステムの構築、◇官民一体での経済フロンティアの共創とルールの共有、◇地域の平和と安定のための安全保障分野での連携拡充、の3つの重点分野に取り組むと述べた。
さらに、ASEAN地域での取り組みの具体例として、「パワー・アジア」によるサプライチェーン強靱化や「日・ASEAN・AI共創イニシアティブ」を通じたAI協力などを挙げた。
なお、高市首相は5月1日から5日にかけて、就任後初の外遊としてベトナムとオーストラリアを訪問しており、3日にはハノイ市からオーストラリアのキャンベラへ移動する。
これに先立つ4月13日には、ラム書記長 兼 国家主席と電話会談を行い、ラム氏の書記長再任および国家主席就任への祝意を伝えた上で、アジア地域全体のエネルギー強靱化に向けた協力などについて協議していた。




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