
南部メコンデルタ地方アンザン省チャウタイン郡ホアビンタイン村在住のチャン・バン・フォーさん(男性・64歳)は、過去9年間にわたり自腹で水牛や牛を屠殺場から救出し、世話を続けてきた。これはフォーさんにとって、家畜への恩返しでもある。
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かつて貧困時代を共に過ごした水牛や牛への恩義から、フォーさんは農業をやめ、屠殺場から救出した家畜を家族のように世話するという生き方を選んだ。
5月の暑い日、フォーさんは一頭一頭の名前を呼びながら、せっせと水牛や牛を日陰に誘導している。彼らの名前はフォーさんが屠殺場から救出した際に付けたものだ。
フォーさんは、幼少期から田んぼと犂を引く水牛や牛に囲まれて育ち、大人になって家庭を持つと、両親から田んぼを譲り受けた。フォーさんはその勤勉さにより耕作地を徐々に広げ、面積を4haまで拡大した。さらに脱穀機やロールベーラーも導入し、収益を高めた。
2016年、経済的な安定と子供たちの独立を機に、フォーさんは人生を変えることを決意した。菜食主義に転向し、仏法を学び始めた。そして、水牛にまたがり薬草を摘んで、慈善診療所へ届けるようになった。
フォーさんいわく、バイクには乗れないが、水牛に乗ることには幼い頃から慣れており、自分が貧しかった頃を共にした存在なのだという。