戦死した夫が妻に残した10枚の手紙、半世紀経て映画に登場

2026/03/29 10:17 JST配信

 夫が不在となって50年以上、ソーさんは「生涯愛し合う」という誓いを守り、今でも独身のまま夫への深い愛情を貫いている。

(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress

 映画「赤い雨」の制作チームが実話のディテールを明かした後、ソーさんの小さな家は突然、感謝の気持ちを伝える人々の集いの場となった。白髪の退役軍人のグループから若い学生のグループ、さらには見ず知らずの在外ベトナム人(越僑)まで、歴史の一部に触れようと人々が訪れるようになったのだ。

 経済的な支援の申し出や映画鑑賞の誘いに対し、ソーさんはすべて巧みに断っている。75歳になった彼女は、今でも伝統的な銀細工の仕事と政府からの手当で、子供や孫たちに囲まれながら悠々自適に暮らしている。

 「あの人は亡くなりましたが、この手紙を通じて、まるで毎日そばにいるような気がするんです」とソーさんは笑う。

 手紙の中で、フインさんはかつて「平和な世の中で生きられるようになったら、僕の功績を思い出してほしい」と書き残していた。映画が大ヒットし、今日人々が訪ねてくるその流れこそが、夫が最も満足する答えなのだとソーさんは信じている。

 「私もいずれは土に還りますが、この手紙の価値と意味は永遠に生き続けるでしょう」とソーさんは語った。

<フインさんがソーさんに送った手紙の一部>

「愛する君へ!

 この手紙が君の手に渡る時、それは君にとってもしかしたら人生で最初の、そして人生で一番の悲しみになるかもしれません。

 僕たちが共に過ごした時間はわずかでしたが、戦争は君からたくさんの優しい愛情を奪ってしまいました。普通、夫を持てばあらゆることで甘やかされるものですが、君にはその幸せがなかっただけでなく、早くも離れ離れにならなければなりませんでした。本当に、出会ったばかりで、永遠に別れなければならないなんて!

 愛する君よ!もし本当に僕を愛しているなら、僕が言い残した通りにしてください。毎年この日になったら、僕を偲んで線香を何本かあげてください。そして、この手紙を受け取った時は、まだ人生は長いのだから、あまり悲しまないでください。もし条件が許せば、まだ若いのだから、ぜひ次の人生へ歩み出してください。僕としては、そうしてほしいと思っています!

 ただ1つ願うのは、僕がまだ生きているかのように、母や兄姉に接してほしいということです。僕の魂が高く舞い上がり、君の優しい夢の中で抱きしめられるよう、君がその務めを全うしてくれることを願っています!

 ...だから、悲しまないでください。平和な世の中で生きられるようになったら、僕の功績を思い出してください。もし本当に僕を愛しているなら、平和になって条件が整った時、僕の遺骨を持ち帰ってください...」。

「列車でクアンチ町へ行き、タックハン川を渡ったところが、僕が1973年1月2日に荷物を川の対岸へ運んでいた時に犠牲になった場所です。町から橋を渡り、引き返して、ニャンビエウ1村落を訪ねてください。そこへ行き、水流に沿って下っていくと、村の端に着きます。そこに行けば、トタンの切れ端に僕の名前が刻まれた碑を見つけることができるでしょう。僕の墓はそこにあります...」。


前へ   1   2   3   次へ
© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

前編はこちら  烈士(戦死者)の遺骨
 烈士(戦死者)の遺骨の捜索・収集は、ほとんどの場合、ほんのわずかな手がかりから始まる。その手がかり...
 戦死者(烈士)のフイン・バン・クエン(Huynh Van Quen)さんの身元がこのほど公式に確認され、発見された...
 ハノイ市にあるベトナム科学技術研究所(VAST)は、現在進行中の「烈士(戦死者)の遺骨捜索・収集・身元確...
 南部地方タイニン省内務局はこのほど、同省バムコー村に住むグエン・ティ・レさん(女性・80歳)を、戦死...
 北中部地方クアンチ省の「火の土地」に眠ること半世紀以上、烈士(戦死者)であるチャン・ミン・トゥエン...
 ハノイ市でこのほど、ベトナム映画を表彰するベトナム映画協会主催の「カイトアワード2025(Kite Awards...
 アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は米国現地時間16日、第98回アカデミー賞「国...
 2025年8月公開のベトナム映画「Mua Do(英題:Red Rain)」が、第98回アカデミー賞「国際長編映画賞」ノ...
 ベトナム全国の映画館の興行収入データを分析するボックスオフィス・ベトナム(Box Office Vietnam)によ...
 ベトナム全国の映画館の興行収入データを分析するボックスオフィス・ベトナム(Box Office Vietnam)によ...
 8月22日に公開されたベトナム映画「Mua Do(英題:Red Rain)」が、7日夜までに興行収入5558億VND(約31億...

新着ニュース一覧

 医師のレ・タイン・ドーさん(男性・81歳)は、過去21年間にわたり、集合住宅にある自宅を工房に改装し、...
 世界携帯通信事業団体(GSMA)の調査部門であるGSMAインテリジェンス(GSMA Intelligence)が9月に発表した...
 ロシア系ネットセキュリティ大手カスペルスキー(Kaspersky)が18か国の7200人を対象に実施した調査によ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 北中部地方フエ市の象徴ともいえるチュオンティエン(Trường Tiền)橋の塗り替え作業が...
 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、トラベラーズチョイスアワ...
 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)は、トー・ラム...
 カナダを公式訪問したトー・ラム書記長 兼 国家主席は24日、マーク・カーニー首相とオタワで会談を行い...
 ホーチミン市で23日に開催された人工知能(AI)による生産性向上をテーマとするイベント「ベトナムAI生産...
 地場系コングロマリット(複合企業)CTグループ(CT Group)傘下の無人航空機(UAV)開発・製造会社であるCT ...
 科学技術省のブー・ハイ・クアン科学技術相は9月23日、米国ニューヨークでトー・ラム書記長 兼 国家主...
 南部メコンデルタ地方カントー市人民委員会は、決定第4902号/QD-UBNDを公布し、同市初となる「カントー...
 世界の航空関連情報を提供する英国のオフィシャル・エアライン・ガイド(Official Airline Guide=OAG)...
 フィリピンのファストフードチェーン最大手ジョリビー・フーズ・コーポレーション(Jollibee Foods Corp...
 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は、2026年の信頼性の高い食品企業トップ10...
 韓国最大の財閥サムスングループ(Samsung Group)傘下のサムスン電子(Samsung Electronics)のベトナム法...
トップページに戻る