ソーさんに会い、友人の手紙を読み返した時、クオンさんは初めて、フインさんが大学の講義室にいた頃からすでに妻がいたことを知った。クオンさんは家族と共に再びクアンチ古城に入り、遺骨を探した。フインさんと戦友たちが眠る場所は、草木が生い茂るキャッサバ畑になっていた。
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「フインさんの手紙は、単なる個人的な心情であるだけでなく、あの年の何千人もの兵士たちの声と切望を代弁するものでもあります。皆が皆、家族への愛と恋しさを切実に伝えたかったでしょうが、生死の境目で、誰もが紙やペンを持てる幸運に恵まれていたわけではありません」と、国民経済大学の元講師でもあったクオンさんは感慨深げに語る。
当時クアンチ古城博物館の館長だったチャン・カイン・クーさんも、2002年に初めてこの手紙を読んだ時には感動を抑えきれなかった。クーさんは、家族に遺品を博物館に寄贈するよう説得した。
「ご家族が持っていれば、これはかけがえのない個人的な思い出になります。しかし、博物館に寄贈されれば、この手紙は永遠の遺産となり、後世の人々が先人たちの犠牲を理解し、感謝することにもつながります」とクーさんは話す。
家族の同意を得て、クーさんは新聞で紹介するため、また戦友や観光客のために、何部ものコピーを作成した。約半年後、手紙のコピーが博物館で展示されることになった。「クアンチ古城を訪れる人の半数以上が、この手紙を自分の目で見るために来ているんです」とクーさんは語る。
フインさん夫婦の愛の物語は、もはや彼ら個人のものにとどまらず、クアンチ古城博物館の来館者にとってインスピレーションの源となった。2010年、ホーチミン市の女性団体がソーさんのために家を建設して寄贈した。かつての戦友たちも、手紙のコピーを精巧に復元し、ソーさんが額装して家の目立つところに飾れるようにした。
半世紀が過ぎ、手紙の「運命」は2025年8月公開のベトナム映画「赤い雨(原題:Mua Do、英題:Red Rain)」でスクリーンに登場し、新たな章へと突入した。
「赤い雨」は、ベトナム映画として初めて興行収入6000億VND(約36億4000万円)を超えた作品で、最終的な興行収入は7140億VND(約43億3000円)に達し、ベトナム映画歴代興行収入ランキングの1位に立った。
革命戦争をテーマとした「赤い雨」は、ダン・タイ・フエン氏が監督を務め、フエン監督とともに脚本を手掛けたチュー・ライ氏の同名小説が原作だ。1972年、クアンチ古城を守るため、人民や兵士たちが勇敢に戦い抜いた81日間の出来事をもとにした作品となっている。
映画に登場する死の予感や妻への墓探しの指示など、いくつかのディテールはフインさんの手紙からインスピレーションを得ている。俳優フオン・ナム氏の演技を通じて、フインさんの手紙の言葉がよみがえり、何万人もの若い観客の心に触れた。
映画館のスクリーンの前に座り、ソーさんは登場人物のタが妻に手紙を書くシーンを静かに見つめた。映画とはいえ、言葉の端々に彼女は夫の面影を感じ取った。「驚きと誇りでいっぱいでした。戦時中に夫を亡くした妻は数え切れないほどいますが、これほどまでに国中に知れ渡る形見が残っている幸運な人はそう多くありません」とソーさんは言葉を詰まらせる。





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