民間航空会社エアメコンは、航空機の入れ替えを理由に2月28日以降の運航を一時停止する。19日付VNエクスプレス等が報じた。
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このほど交通運輸省航空局が、最近新聞各紙で話題になっていたエアメコンの運航停止の噂について確認を行ったところ、同社より「3月から航空機を借入先に返却し、今後の戦略に見合う他の機種を借り入れるため運航を停止する」と回答があったが、具体的な計画は明らかにされなかった。運航停止の本当の理由は、経営破たんの状態に陥っているためと見られ、運航再開の可能性は低いとの見方が有力だ。
2010年末に就航したエアメコンは非効率的な経営が続いており、現在では多額の累積赤字を計上し、燃料などのサプライヤーに対する多くの未払い金を抱え、一部がデフォルト(債務不履行)になっている。ベトナム航空燃料社(ビナプコ)が昨年第4四半期の間に8度に亘って請求書を送っているにも関わらず、現在も支払いが滞ったままだ。
2012年におけるベトナム航空会社全体の運航時間は前年比+34.6%の大幅増となっており、便数も前年比+52.2%増の17万9143便。これに対し同年の輸送旅客数は1220万人で前年比+1.8%増と、小幅な増加となっている。この供給増が需要増を上回ったことを背景に、航空会社間の競争が激化し、利用者獲得のため各社とも航空運賃を大きく引き下げており、非効率的な経営を行うエアメコンが太刀打ちできないのも無理はない。
エアメコンの運航停止の影響についてある航空会社の幹部は、「消費者にとって選択肢は減るが、エアメコンのシェアは小さく、主に短距離路線で運航しているため、航空市場への影響は限定的なものとなる」とコメントしている。