熱帯モンスーン気候帯に属し、雨季と乾季を有する。
地理 |
・ベトナム最南端に位置し、三方を南シナ海に囲まれている。 ・省都はホーチミン市から南西に380km、カントー市から西南に180kmに位置する。 ・平らな地形で海抜が低いが、多くの川と運河が走っており、広大なマングローブの森を有している。 |
歴史 |
・マングローブの森に生息する植物の樹液や落ち葉などにより、森の水が黒く変色していることに因み、クメール人がクメール語で「黒」を意味する「カマウ」と名付けた。 ・元々はクメール王国に属していたが、中国清朝を不服に思い南進した明朝の将軍マック・クー(鄚玖)一族が1680年から旧キエンザン省と旧カマウ省に当たる地を開拓。その後、絶えずクメール王国の脅威に晒され続け、これに対抗する力を得るため18世紀初めにベトナムのグエン(阮)朝の支援を求めて同王朝の統括地となった。それ以降もマック一族は同王朝の傀儡政権としてこの地を管理し続け、マック・クーの息子マック・ティエン・トゥー(鄚天賜)が1735~1739年にクメール王国から、更に旧ハウザン省と旧バクリエウ省に当たる地を奪った。 |
経済 |
・主な産業は稲作、水産養殖(主にエビ)。三方を海に囲まれていることもあり、漁業が発達している。 |
観光 |
<見所・イベント>
ウーミン(U Minh)マングローブ林:
植物250種、爬虫類20種、鳥類180種以上が生息しており、昔のままの自然を残している。
|
ラムビエン公園(Công viên Lâm Viên):
18ヘクタールの敷地に娯楽施設や公園のほか、ワニ、サル、モニタートカゲ(中型~大型のトカゲ)、ニシキヘビ、ヘビ、カメなどを保護している。特に鳥類保護区には数千羽もの鳥が生息し、バードウォッチングの人気スポットになっている。
|
カマウ岬国立公園(Vườn quốc gia Mũi Cà Mau):
「ラムサール条約湿地」に認定された国立公園。総面積4万1862ヘクタール、このうち陸地面積が1万5262ヘクタール、海域面積が2万6600ヘクタール。水産動植物233種類、鳥類93種類、爬虫類43種類、哺乳類26種類、両生類9種類が生息しており、レッドブック(絶滅危惧種に関するデータブック)に載った希少動植物も生息している。 |
フランス式別荘(ヴィラ)群:
約100年前のフランス植民地時代に建設されたフランス式の優雅な建築物群。ヴィラの中には、南ベトナムのゴ・ディン・ジエム初代大統領の実弟で、大統領顧問を務めたゴ・ディン・ヌーの妻チャン・レ・スアンの実家がある。その他、バクリエウ市図書館として利用されているヴィラもある。図書館の隣にはバクリエウ博物館があり、ここでは同省に住む◇キン族、◇クメール族、◇華僑の文化などを紹介しているほか、2~7世紀ごろに栄えた港市オケオの時代のものとされる出土品が展示されている。
|
バクリエウ公子ホテル(Khách sạn công tử Bạc Liêu):
バクリエウ公子(バクリエウ省の御曹司)として知られた大富豪チャン・チン・フイ氏の実家をホテルに改装したもの。このホテルの宿泊客は、当時の大富豪一族の生活を体験できる。バクリエウ公子の逸話は幾つかあるが、当時の暮らしぶりを思わせる話を一つ紹介しておこう。ある美しい娘をめぐって、フイ氏とメコンデルタ地方ティエンザン省ミトー市の大富豪レ・コン・フオック氏が競い合ったときのことだ。どちらがより金持ちかはっきりさせようという話になり、持っていた札束を燃やして、先に青豆のチェー(ベトナム風ぜんざい)を煮ることができた方が勝ちというゲームを行ったと伝えられている。
|
<特産品>
ラウ・マム(Lẩu mắm):
発酵した魚のスープで、野草を湯がいて食べる鍋料理。オクラ、ゴーヤ、水おじぎ草などを入れる。この他、エビ、イカ、魚、カニ、タニシなどを好みによって入れ、ビーフンと一緒に食べる。
|
雷魚の丸焼き(Cá lóc nướng trui):
メコンデルタ地方の名物料理。雷魚、香草、スターフルーツ、バナナ、パイナップル、ビーフンなどをライスペーパーで巻いて、発酵魚のタレ(Mắm nêm)をつけて食べる。
|
バイン・セオ(Bánh xèo):
ベトナム風お好み焼きと呼ばれる南部の名物料理。レシピは多彩で、中に入れる具も様々。基本的なレシピは、米粉とココナッツミルクをベースにした生地に、豚肉、もやし、エビ、緑豆、または鶏肉やキノコ、タマネギなどをたっぷりと入れて、大きめの専用フライパンで薄皮に焼き上げる。生地はターメリックで黄色く色付けされる。焼きあがったものに香草(ミント、ドクダミ、シソなど)を添えて風味を付け、一口大にちぎってレタスやサニーレタスなどの野菜で包み、酢やヌックマム(魚醤)をベースにしたタレにつけて食べる。
|
|
カマウ省関連ニュース |
|
ベトナムの省・中央政府直轄市一覧 |
最終更新日:2025年7月1日
|