- GDP成長は従来予想から0.15%pt低下
- 北中部以北の26省・市に台風の影響
- 台風直撃各地ではGRDP成長が鈍化
9月上旬にベトナム北部を襲った台風3号(アジア名:ヤギ、日本では台風11号)および、これに伴う二次災害により、北部各地で甚大な被害が出ている。これまでの統計によると、被害額は合わせて40兆VND(約2300億円)に上る。
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これは、グエン・チー・ズン計画投資相が15日に開かれた台風被害克服対策に関する会議で明らかにしたもの。
台風が直撃した東北部地方クアンニン省と北部紅河デルタ地方ハイフォン市の被害額が特に大きく、それぞれ23兆7000億VND(約1350億円)、11兆VND(約630億円)だった。
台風3号と、その後に変わった熱帯低気圧は、北中部地方タインホア省以北の26省・市に影響を及ぼした。これにより、影響を受けた省・市の地域内総生産(GRDP)成長率および国内総生産(GDP)成長率が鈍化し、2024年通年のGDP成長率は従来のシナリオと比べて▲0.15%pt低下すると予想されている。
中でも、クアンニン省、ハイフォン市、西北部地方ラオカイ省など台風被害が特に大きかった省・市の2024年のGRDP成長率は▲0.50%pt以上の低下が見込まれる。
計画投資省はこれに先立つ今年7月、上半期(1~6月期)の実績を踏まえ、以下の通り今年のGDP成長シナリオを発表した。
◇シナリオ1:2024年GDP成長率:+6.5%(◇7~9月:+6.5%、◇10~12月:+6.6%)
◇シナリオ2:2024年GDP成長率:+7.0%(◇7~9月:+7.4%、◇10~12月:+7.6%)
なお、ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、被災地で台風の影響を受けた商業銀行の顧客向け融資額は80兆VND(約4600億円)。このうち、クアンニン省とハイフォン市の顧客数は11万7000人、融資額は23兆1000億VND(約1320億円)となっている。中央銀行の指導のもと、商業銀行は影響を受けた顧客に利息の減額などの支援策を講じている。