- スポーツ業界における「金鉱」として注目
- 他競技の有名選手がプロとして転向も
- 国内ブランド、国際市場への進出も視野
ベトナムでピックルボールが急速に普及し、スポーツ業界における「金鉱」として注目されている。この1年余りの間に、ホーチミン市やハノイ市、南中部地方ダナン市を中心にピックルボールのコートやクラブが急増し、他競技の有名選手がプロとしてピックルボールに転向する動きもみられる。
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電子商取引(eコマース=EC)データを手掛けるメトリック(Metric)によると、2024年におけるピックルボール関連商品のEC販売額は2719億VND(約15億2000万円)に上り、2025年1~3月期には2287億VND(約12億8000万円)に達した。この急成長により、多くのベトナム国内のスポーツブランドが新たな市場として参入を始めている。
当初は、ヨーラ(JOOLA)やセルカーク(Selkirk)、フランクリン(Franklin)などの米国ブランドのラケットが主流だったが、現在ではカミト(Kamito)、ファコロス(Facolos)、キングテク(Kingtek)、ゾッカー(Zocker)といったベトナムブランドも台頭している。
ブランド構築に向けて、国内ブランドは、製品の改良やプロモーションの強化、大会への協賛、有名選手の獲得に注力している。カミトはその代表例で、ベトナムナンバーワンのテニス選手であるリー・ホアン・ナムと契約している。
さらに、ラケット以外にも、ウェア、シューズ、バッグ、ボール、グリップ、キャップ、タオルなどの製品を展開し、ECプラットフォームを通じた販売網の拡大も進んでいる。
マレーシアやシンガポール、インドネシアなどの近隣国でもピックルボール人気が高まりつつある中、ベトナムブランドは国際市場への進出も視野に入れている。