- 国内で人気に陰りも海外市場に活路
- パリ中心部に店舗開業、欧州1号店
- ベトナムの文化を伝える橋渡し役に
ベトナムの配給(バオカップ=Bao cap)時代をコンセプトとした地場系大手のカフェチェーン「CONG ca phe (コンカフェ)」は、2017年に海外進出した後、これまでに韓国、カナダ、台湾、マレーシアに進出して店舗数を伸ばしてきた。同社はこのほど、美食大国フランスの首都パリに同国1号店を開業し、ヨーロッパ市場進出を果たした。
![]() (C)Phu Nu |
2007年にハノイ市に1号店をオープンしたコンカフェは現在でも、レトロな空間を愛する忠実な顧客基盤を有しているものの、かつてのように若者たちが殺到する選択肢ではなくなっている。◇フェラ(Phe La)、◇カティナ(Katinat)、◇フックロン(Phuc Long)などの競合チェーンがZ世代の憩いの場となる中、コンカフェは国内の市場シェアを失っているように見え、ブランド確立に貢献したココナッツコーヒーでさえ、国内ではその魅力に陰りが見られる。
国内市場での地位が揺らぐ中、コンカフェは海外市場に活路を見出し、ベトナムの文化と歴史を感じられるユニークなカフェとして、現地での顧客基盤を築いている。今回、パリ中心部にオープンした同国1号店は、同社にとって、単なる商業的なステップではなく、ベトナムのユニークなブランドが文化的な橋渡し役になることを証明するものとなった。
コンカフェ・パリ店は、パリ1区ヴォルネイ(Volney)通り18番地に位置する。ヴァンドーム広場からも近い同地区は、世界中から毎日多くの旅行者が訪れる観光地だ。パリ店も国内店舗と同様の内装となっており、店内にはカラフルなクッションや木製のテーブルと椅子が置かれ、壁にはベトナムのレトロな写真が掛けられている。
パリ店はオープン当初から、多くの客で賑わっており、フランス人客だけでなく、現地で暮らすベトナム人も大勢来店している。故郷を離れて異国で暮らすベトナム人にとって、コンカフェは懐かしい味を楽しむ場であるとともに、異国の友人を誘ってベトナムの文化を一緒に体験できる場にもなっているようだ。