- ECサイト上位4社の売上高合計約1.12兆円
- 販売商品数も19億2400万点へと大幅に増加
- ティックトックショップの売上成長率最高
電子商取引(eコマース=EC)データを手掛けるメトリック(Metric)が発表した最新レポートによると、2025年1~6月期におけるECサイト上位4社の売上高(Net Merchandise Value=純商品価値)合計は前年同期比+41.5%増の202兆3000億VND(約1兆1200億円)に急増し、販売商品数は同+25.4%増の19億2400万点へと大幅に増加した。
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ECサイト上位4社は、◇ショッピー(Shopee)、◇ティックトックショップ(TikTok Shop)、◇ラザダ(Lazada)、◇ティキ(Tiki)。4社の受注店舗数は同▲6.3%減の53万7900店に減少した。
4つのプラットフォームの中で、ティックトックショップの売上成長率は同+69%と最も高く、ショッピングとエンタメを融合させた「ショッパーテインメント」戦略で若年層を中心にユーザーを拡大している。
ショッピーは依然として市場シェア1位を維持し、売上高も+16%増加したが、特にファッション、化粧品、スナックなどのカテゴリーでティックトックショップとの競争が激化している。
一方、ラザダとティキは売上高・市場シェアともに減少し、プラットフォーム間の明確な差が現れている。EC競争は価格や割引だけでなく、テクノロジー、データ、物流・販売者向けエコシステムの構築力が問われる時代に入っている。
ショッピーでは、低価格な輸入商品の売上が全体の6%を占め、前年同期比+6.6%増加した。販売数量は横ばいだったが、平均注文単価が上昇しており、消費者が同じ価格帯でも品質を重視する傾向にあることを示している。
カテゴリー別では、美容関連が引き続き売上高1位となり、オンラインでの化粧品・スキンケア製品の人気を証明した。最も成長率が高かったのは子供服で、前年同期比2倍超の大幅な増加となった。
価格帯別では、10万~20万VND(約560~1100円)の商品が売上高・数量ともにトップとなり、手頃な価格帯への需要が根強いことが分かる。
メトリックの予測によると、7~9月のEC市場も引き続き成長し、売上高は前期比+21%増の122兆8000億VND(約6800億円)、販売商品数は同+27%増の約12億3600万点となる見込みだ。
主な成長要因として、「メガセール(Mega Sale)」や「バック・トゥ・スクール(Back to School)」など、夏の大型キャンペーンが挙げられる。また、中高年層でもオンラインショッピングの利用が広がり、ECの裾野が広がっている。