JACリクルートメント、日本企業の幹部人材現地採用調査の結果を発表

2013/11/29 10:00 JST配信

 人材紹介のJACリクルートメントはこのほど、2013年の東南アジアにおける日本企業の幹部人材現地採用に関する調査結果を発表した。

 日本経済の低成長や新興国の成長を受けて、日本企業のASEAN進出が拡大している。このような中、同社では東南アジア諸国の日本企業現地法人を対象とした幹部人材の現地採用状況を調査した。今年はベトナムにも調査範囲を拡大し、昨年の調査では設けなかった具体的な給与額についても調査した。

 調査概要
調査期間:2013年9月20日~10月4日
調査対象:シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムの日本企業現地法人
調査方法:書面によるアンケート(Web上で実施)および面会による聞き取り調査
回答企業:アンケート回答252社(有効回答252社)

 調査時点で管理職以上の採用活動を行っていた企業は全体の19.0%、「直近1年以内に採用した」企業と「今後具体的な計画がある」と回答した企業は合わせて39.7%で、国別でも概ね40%前後で均衡していた。また、恒常的に管理職採用を行っていると読み取れる企業も全体の約14%あった。

 採用活動については、「過去(1年以上前)」、「過去(1年以内)」と「現在」を比較すると「非常に苦戦」、「どちらかというと苦戦」と回答する企業が増えており、「現在」は約70%の企業が採用に苦戦していると答えている。苦戦度を国別で見てみると、最も苦戦しているのはベトナムで、「非常に苦戦」、「どちらかというと苦戦」の合計が90.0%に上った。以下、マレーシア(73.7%)、タイ(68.8%)、インドネシア(68.3%)。シンガポール(58.3%)と続いた。

 採用がうまくいかない理由については、「候補者の質に不足感がある」が群を抜いて多く、これは調査対象国で共通だった。また、タイでは「候補者の質」に次ぐ2番目の原因として「充分な数の候補者が集まらない」との回答があがった。マレーシアとインドネシアでは「給与条件が折り合わない」ケースが多かった。

 採用しているポストについては、殆どの回答が「マネージャークラス」に集中した。職種的には「営業/マーケティング系マネージャー」が47社と最も多く、次いで「管理系(人事総務)マネージャー」(45社)、「管理系(経理財務)マネージャー」(41社)と続いた。

 今後の採用に影響を与える外部環境については、全体の42.9%が「幹部人材採用需要が更に高まること」と回答している。また、「国内の人材育成が進まず優秀人材の絶対数が増えないこと」を危惧する企業が全体の41.3%あった。特にベトナムでは半数の企業がこれを危惧していた。調査に加わったJACリクルートメントベトナム(本社:ホーチミン市)の加藤将司MDは、「当社に寄せられる求人の中でも、ベトナム人の管理職人材を採用できない企業が、やむを得ず日本人を採用するケースは多い」と語った。

 ベトナムの給与相場について見てみると、マネージャーの決定給与は1500ドル(約15万円)前後。またGMクラス以上の求人では2000ドル(約20万円)以上の給与条件である場合が多い。ベトナムでは、採用市場の相場が既存マネージャーの給与水準を上回っており、既存マネージャーと同等の人材を外部から採用しようとした場合、既存マネージャーよりも高い給与を支払う必要があることに加え、常に既存マネージャーが他社から引き抜かれる脅威にさらされている。

[2013年11月29日ベトジョーニュースリリースU]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 人材紹介のJACリクルートメントはホーチミン市で7月2日(水)、「キャリア構築セミナー&個別相談会」...
 人材紹介のJACリクルートメントはホーチミン市で3月24日(月)、組織力UPセミナー「たいせつな“あたり...
 人材紹介のJACリクルートメントはホーチミン市で3月6日(木)、「ここだけは押さえておきたい!ビジネ...

新着ニュース一覧

 日本側の外交文書によると、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)は7月末...
 ベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学=VNU-HN)傘下経済大学(UEB)附属の経済政策研究センター(VEPR...
 南部メコンデルタ地方キエンザン省人民委員会は、故ホー・チ・ミン主席の生誕134周年(18905月19日年~2...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 最近、犬のしつけや訓練を専門に行うドッグトレーナーは、安定した収入が得られる職業となりつつある。...
 ベトナム共産党中央執行委員会は18日、第15期(2021~2026年任期)の国家主席候補としてトー・ラム公安相...
 カーボンクレジット創出販売や農業、環境などの事業を手掛けるGreen Carbon株式会社(東京都港区)はこの...
 ベトナムの鉄鋼産業は2010年代から飛躍的な成長を遂げ、鉄鋼の生産と消費において東南アジア諸国連合(A...
 シンガポールのチャンドラー・ガバナンス研究所(Chandler Institute of Governance=CIG)は15日、各国...
 米経済誌フォーブス(Forbes)は、「アジアを代表する30歳未満の30人(30 Under 30 in Asia)」2024年度版...
 ホーチミン市3区チャンクオックトアン(Tran Quoc Toan)通り12番地にあるグエンティジエウ(Nguyen Thi D...
 日本政府は13日、日本NGO連携無償資金協力「ソンラ省における少数民族の生計向上のための農業及び栄養...
 デンマークのジュエリーブランド「パンドラ(Pandora)」は16日、東南部地方ビンズオン省の第3ベトナム・...
 ハノイ市ホアンキエム区警察は17日、旧市街地で日本人観光客から財布を盗もうとした窃盗の疑いで、中国...
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ハノイ市タイホー区人民委員会は13日、かつてのブオイ地区(現在のタイホー区ブオイ街区)で、「ゾー(do)...
トップページに戻る