ベトナム南中部クアンガイ省で、40年間もの間ジャングルの中で二人きりで生活していた父子が保護された。8日付トゥオイチェー紙(電子版)などが報じた。
(C)Tuoi Tre, 保護されたホー・バン・ランさん |
(C)Tuoi Tre, 保護されたホー・バン・タインさん |
(C)Tuoi Tre, 木の上に作った家 |
(C)Tuoi Tre, 寒さを防ぐために使用していた木の皮で作った外套 |
保護されたのは、ホー・バン・タインさん(82歳)とその息子バン・ランさん(41歳)。ベトナム戦争中の1973年、米軍の爆撃を受け妻と2人の子供が死亡した後、タインさんは幼いランさんを連れてジャングルの中に逃げ込み、そのまま行方不明になった。
残されたタインさんの末息子バン・チさん(行方不明当時3か月)によると、行方不明後の捜索で二人を見つけ村へ帰るよう何度も説得したものの、頑として帰ろうとせず、タインさん父子はそのままジャングルの中で生活を続けていたという。時々生活に必要なものを差し入れたりしたが、彼らがそれを取りに来ることは稀だった。
見つかった二人は、木の皮で作った布を身につけ、果物を採取したり、芋やトウモロコシ、イネ、ゴマなどを栽培して、木の上に作った家で生活していた。ナイフや斧、食器、籠など生活に必要なものはすべて自製していた。
二人は現地の少数民族の言葉を少し話せる程度で、タインさんの身体は極度に衰弱しているため、自治体は二人に世話をする人をつけ、他人を怖がる二人が独立して生活できるよう家を用意する予定だが、二人はジャングルの生活に戻ることを望んでいる様子だという。