フート省:幸運求めて村男たちが本気の大乱闘、「玉取り祭り」

2015/03/06 16:08 JST配信

 東北部フート省タムノン郡ヒエンクアン村で2日と3日、村人数百人が真っ赤な玉を争って大乱闘を繰り広げる「玉取り祭り」が開催された。これは、旧暦1月12日・13日に行われる毎年恒例の伝統的な祭り。

(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre
(C) tuoitre

 この祭りの起源は、ベトナムが中国後漢の支配下にあった1世紀ごろに遡る。当時、「ベトナムのジャンヌ・ダルク」と呼ばれる徴姉妹(ハイバーチュン)が中国支配に対する反乱を起こした。これを支援したのがティエウホア姫で、この祭りはヒエンクアン村にゆかりがあり、生前よく玉で遊んでいたと伝えられているティエウホア姫の功労を称えるために行われているものだ。

 村の廟にお供え物をし、いくつかの儀式を終えた後、赤く塗られた竹製の玉(直径4~5cmが3個と6~7cmが6個)が同村を流れるタオ川の土手に運ばれ、これらが穴に投げられた時点で玉取り争いが始まる。ティエンホア姫の伝説の玉は、手にした本人と一家に幸運を呼び込む縁起物とされ、次の祭りまで自宅で大切に保管される。

 祭りでは、玉を求める男性参加者らが暴言を吐きながら本気で殴り合い、流血騒ぎの大乱闘に発展する光景が繰り返されることから、全国でも話題となっている。

 この大乱闘について同村に住むある中年男性は、「若い頃は、玉取り争いを無邪気な気持ちで楽しんでいた。しかし近年、楽しい思い出の詰まった伝統的なこの祭りが凶暴なものに変わってしまい、残念でならない」と話す。

 なお、この祭りは玉取り争いのほか、ユネスコ無形文化遺産として認定されている伝統民謡で、ベトナムの伝説上の王であるフン王(雄王)の時代に生まれたとされるハットソアン(Hat xoan)の演奏も行われ、村人だけでなく多くの観光客の関心を集めている。

[Tuoi Tre等, 20:37 (GMT+7) 03/03/2015, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 文化スポーツ観光省文化局の統計によると、ベトナム全国では年間7966種類の様々な祭りが開催されている...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
トップページに戻る