中部高原地方ラムドン省ドクチョン郡ダーロアン村ではこの1カ月、ハエの大群に脅かされて日常生活もままならない異常事態が続いている。同村在住の女性トゥイさんは、いくら気を付けていても食事にハエが入ってしまい、子どもが毎食泣きながら食べていると憤まんやるかたない様子で話してくれた。トゥイさんの家では毎日ハエを退治しているが、その量は重さにして3キログラムにもなる日もあるという。また、村人らはハエが屋内に侵入しないように昼間でも窓や扉を固く閉ざして不便な生活を余儀なくされている。
ダーロアン村人民委員会のグエン・バン・ヒエップ主席によると、ハエの大量発生は毎年のことだが、通常雨季に入れば自然に姿を見せなくなるにもかかわらず、今年は雨期に入って1カ月近く経っても異常なほどの大量発生が続いているという。原因は、村内にあるダーロアン社が石灰によるハエの卵駆除を行わずに鳥のふんや卵などを肥料として茶畑にまいたためとみられている。
同村人民委はこの問題を重視、5月27日には調査チームがダーロアン社に対し肥料の適切な処理を指導した。しかし、同社が殺菌・消毒とふんの埋め立てを行い、周辺住民に殺虫剤を配布した後もハエが減る様子はないという。村では防護ネットを設置するよう村人に勧めているが、これでは根本的な解決にならないと不満が高まっている。