薬殺刑の薬剤に関する新政令公布、調達が容易に

2013/05/17 12:03 JST配信

 政府はこのほど、薬殺による死刑執行に関する規定を改定した政令を公布した。2011年に公布された規定では使用する薬剤が限定されていたため、薬剤の入手が難しく、刑の執行を妨げていたが、新しい規定により薬剤の限定がなくなったため、以前より調達しやすくなる。14日付ラオドン紙(電子版)が報じた。

(C)Lao Dong
(C)Lao Dong

 新政令によると、死刑執行には◇意識を失わせる薬剤、◇運動機能を麻痺させる薬剤、◇心停止させる薬剤の3種類を順に使用する。以前の規定では、この3つの薬剤についてそれぞれ◇睡眠薬(チオペンタールナトリウム)、◇筋弛緩剤(臭化パンクロニウム)、◇心停止液(塩化カリウム)の3つに限定されていた。

 今後、保健省は公安省と国防省と協力して、死刑執行用薬剤の種類と分量を決定する。また、死刑執行用薬剤の供給源を確保し、管理・使用方法について指導する。

 死刑の執行方法は、2011年7月に銃殺から薬殺に変更された。だが、必要な薬剤がベトナムで生産されておらず、また供給元の欧州各国がベトナムに死刑廃止を求めていることから、調達が困難になっている。現在500人以上の死刑囚が刑の執行を待っている状態で、収容施設の問題だけでなく、長期間処刑を待つ受刑者の精神的な苦痛の大きさも問題視されている。

[Lao Dong, 14/05/2013 21:19 S]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは、2014年における死刑判決と死刑執行に関する統計を発...
 致死薬注射による国内初の薬殺刑が6日にハノイ市で執行された。執行されたのは強盗殺人の罪で死刑判決...
 人が経験する身もだえするほどの苦しさの中で、死刑執行を待つ死刑囚の味わう苦しさは恐らく最大レベル...
 政府はこのほど、志望者の少ない不人気学科の授業料減免及び助成について定めた政令第74号/2013/ND-CP...
 2011年7月に刑法が改正され、ベトナムの死刑執行方法が銃殺刑から致死薬投与による薬殺刑に変更された...
 フイン・ゴック・ソン国会副議長は26 日に開催された国会で、銃殺刑の復活を提案した。昨年7月に刑法が...
 刑法改正案は第12期国会の第7回国会で採択され、7月1日から施行される。改正される法案のなかには死刑...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
トップページに戻る