農業農村開発省によると、耕作を放棄された農地の面積が1省・直轄市当たり100ヘクタールにも上っており、近年、農地を放棄する農家が増加傾向にあるという。ザンベト紙(電子版)が報じた。
(C) Tinmoitruong |
東北部ハイズオン省、フンイエン省では放棄された農地面積がいずれも200ヘクタール以上となっている。その多くは土壌が悪いわけではなく、稲の二期作や稲と他の作物の三毛作が可能な土地だ。
農地放棄の要因として、◇農薬や肥料、種などの費用が大きく上昇しているにも関わらず、農産物の販売価格が低い水準にあること、◇農家が農業をやめて転職していること、◇都市化・工業化による環境汚染で不作が続いていること、◇資金不足、◇農業に関する政策が不十分であることなどが挙げられる。
この5年間で種籾の価格が2.5倍、無機肥料の価格は2倍に上昇しているのに対し、コメ1キロ当たりの販売価格は5000ドン(約23円)から6000ドン(約28円)と、僅かな上昇に留まっている。
農業農村開発省によると、紅河デルタ地方における農家1世帯当たりの年収は2200万ドン(約10万2000円)程度で、種や肥料、農薬など各種費用を差し引いた年間利益は1300万ドン(約6万0200円)に過ぎない。さらに、農家は農地や農道の保守費用、農家基金など多くの費用を納付しなければならず、これらの費用は年間160万~170万ドン(約7400~7900円)にもなるという。