ベトナム国家衛星センター(VNSC)のファム・アイン・トゥアンセンター長は、このほど開催された「衛星技術とその応用」と題したセミナーで、2020年にベトナム製の小型地球観測衛星「ロータサット-2(LOTUSat-2)」を打ち上げ、同衛星から撮影した画像を世界各国で販売する計画を明らかにした。ベトナム製の衛星画像が海外で販売されるのはこれが初となる。
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ベトナム製の衛星開発に向けたロードマップによると、ベトナムは2016年に重さ10kgの衛星「ナノドラゴン(NanoDragon)」を、2018年に重さ50kgの衛星「マイクロドラゴン(MicroDragon)」を、そして2020年に重さ500kgの衛星「ロータサット-2」を打ち上げる予定。
上記のロードマップが計画通りに進めば、ベトナムはインドネシアやマレーシアに次ぎ、東南アジア地域における衛星の研究開発・応用分野の大国の1つとなる。タイやラオスなどはこれまでに衛星の打ち上げを実施しておらず、フィリピンは自国製ではなく海外の衛星画像を購入しており、またシンガポールは応用分野ではなく衛星画像の販売に注力している。
これに先立ち、ベトナムは2013年8月4日に、東京大学とVNSC、IHIエアロスペース(東京都江東区、IA)が共同開発した超小型衛星「ピコドラゴン(PicoDragon)」を、宇宙ステーション補給機「こうのとり」4号機(HTV4)で鹿児島県・種子島(たねがしま)宇宙センターから打ち上げた。同衛星は一辺10cm、重さ1kgの立方体で、宇宙軌道上で3か月間活躍し、衛星と地上局間の通信路確立に成功した。