南部で17年から電力不足の恐れ、送電線の整備加速が急務

2016/09/29 15:10 JST配信

 ベトナム電力グループ(EVN)のダン・ホアン・アン社長によると、ベトナム南部では2017年から2020年までの間に電力が不足すると懸念されており、年間の不足分は同地域での電力需要の10~15%に相当するという。北部から南部への送電能力は年間185億kWhとなっているが、電力需要は2017年に150億kWh、2019年には210億kWhへと増加する見通しだ。

 EVNのズオン・クアン・タイン会長によると、電力不足を補うために2017年から石油火力発電を増強する必要があるが、石油火力発電のコストは石炭火力発電に比べて2倍以上になり、巨額の赤字に陥る可能性があるという。

 南部の電力不足問題に対する打開策として、北部から中部、南部への年間送電能力を向上させるため、北中部地方ハティン省ブンアンから南中部沿岸地方クアンガイ省ゾックソイ、南中部高原地方ザライ省プレイクまでを結ぶ500kV送電線の整備を急ぐことが急務になっている。同送電線が2019年に稼動すれば、南部の電力不足を補えるほか、石油火力発電を削減することもできる。

 このほか、南中部沿岸地方ビントゥアン省の第1ビンタン火力発電所やメコンデルタ地方ソクチャン省の第1ロンフー火力発電所、同地方ハウザン省の第1ソンハウ火力発電所など、南部における火力発電所建設案件の進捗を加速する必要がある。タイン会長は、各案件のうち1件でも進捗が遅れれば、2019年から南部が深刻な電力不足に陥ることになるとの懸念を示した。

[Bao Tran, Nguoi Lao Dong, 17:08 (GMT+7) 08/09/2016, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ベトナム電力グループ(EVN)によると、国家電力網の負荷容量は2日に3万0182MWに達し、過去最高を記録し...
 ベトナム電力グループ(EVN)によると、電力需要の急増に対応するため、年内に10か所以上の発電所の稼働...
 グエン・タン・ズン首相はこのほど、「2011~2020年国家電力開発計画(第7期電力計画)と2030年までのビ...
 グエン・タン・ズン首相は19日、2030年までを視野に入れた2011~2020年の国家電力開発計画(第7次電力マ...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る