移り住んで20年、チャム族で賑わうホーチミンのアパート

2017/11/18 05:05 JST配信

 ホーチミン市ビンタイン区ファンバンハン(Phan Van Han)通りにあるアパートは、この20年間にチャム族が多く移り住むようになった。今ではチャム族の入居者数が200人近くに上り、全体の約半数を占めている。

(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress
(C) VnExpress

 アパートに住むチャム族はメコンデルタ地方アンザン省チャウドック町にルーツを持ち、フランス植民地時代からホーチミン市で暮らすようになった。当初はティゲー運河沿いに住んでいたが後に立ち退きが行われ、その移転先としてこのアパートが住民に充てられた。同アパートのほか、8区や1区のナンシー市場周辺、フーニュアン区にチャム族が多く暮らしている。

 ここに住むチャム族はイスラム教徒だが、ホーチミン市に移り住んで長い年月が経った今でも民族の文化や慣習、イスラム教の教えを守っている。女性はヒジャブと呼ばれるベールを被り、男性はガラベイヤと呼ばれる足元まで隠れる長い衣装に帽子を被っている。

 アパートの最上階は礼拝や儀式を行うモスクのように位置付けられており、壁には1日5回の礼拝の時間を示す時計が掛けられている。ここは通常、女人禁制で、ラマダン月(イスラム教徒の断食月)にのみ女性も上がることが認められている。

 アパートに住むマリヤ(Marihah)さんの亡くなった実母はキン族だったが、イスラム教徒である父と結婚したことで仏教から改宗したそう。チャム族では結婚すると夫は妻側の家族と同居するため、アパートで暮らす世帯のほとんどが二世帯以上の大家族だ。チャム族では女性は結婚すると家庭に入るのが慣例だったが、時代の流れから女性も次第に自宅で小さな商店や仕立て屋などを商うようになり、現在では会社勤めの女性もいる。

 夜になるとアパートではチャム語の無料教室が開かれる。大人は母語やチャム族の文化を忘れないようチャム語やコーランを学び、幼児はベトナムの勉強をしている。

[Quynh Tran, VnExpress, 20/8/2017 00:00 GMT+7,T]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 ホーチミン市8区ズオンバーチャック(Duong Ba Trac)通り157番地の路地には、イスラム教を信じるチャム...
 ハノイ市ドンアイン郡ボンラー村(xa Vong La, huyen Dong Anh)では、テト(旧正月)が近付くと人々は桃の...
 ホーチミン市中心部の1区ドンズー通り66番地(66 Dong Du St., Dist.1, Ho Chi Minh City)には、同市で...
 ホーチミン市には、中華系の人々が集まる「中華街」(チョロン地区=5区・6区・11区の一部)、西洋人が集...
 文化スポーツ観光省文化遺産局はこのほど、ホーチミン市1区のベトナム国家銀行(中央銀行)ホーチミン市...
 北中部クアンチ省では現在、同省ゾーリン郡ゾーアン村にある約2000年前の水道網を修復するプロジェクト...
 ホーチミン市3区にある南部女性博物館(200-202 Vo Thi Sau St., Dist.3, Ho Chi Minh)で2015年2月1日(...
 東南部ビントゥアン省人民委員会はこのほど、同省ファンタイン町での「チャム民族文化展示センター」の...

新着ニュース一覧

 商工省と複数の省・市における太陽光発電事業を巡る違反事件で、ハノイ市人民裁判所は、ホアン・クオッ...
 国家主席府は4月29日、受刑者8055人と刑執行猶予中の1人の計8056人に対する国家主席の特赦の決定を発表...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が5月5日に開幕した。  今国会では、国家構造に関する201...
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角...
 ホーチミン市文化スポーツ局は、4月30日の南部解放記念日にサイゴン川沿いエリアで実施を計画していた...
 南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)事業の一環で行われた軍事パレードを見物する...
 衣料の製造・販売を行う韓国のレシピグループ(Recipe Group)はこのほど、同社が展開するファッションブ...
 ルオン・クオン国家主席は4月28日、北中部地方ハティン省でラオスのトーンルン・シースリット国家主席 ...
 インボイスに関する政令第123号/2020/ND-CPの一部を改正・補足する政令第70号/2025/ND-CP(6月1日施行)...
 カナダの金融・保険サービス比較会社 「ハローセーフ(HelloSafe)」はこのほど、世界各国における株式市...
 ハノイ市人民評議会は4月29日、バイオテクノロジー分野に特化した「ハノイバイオハイテクパーク」の建...
 日本の経済産業省とベトナム商工省は4月28日、エネルギートランジションに係る二国間協力プロジェクト...
 東南部地方ビンズオン省のビンズオン新都市ワールドトレードセンター(WTC EXPO)で5月7日(水)から9日(金...
 イタリアのサンペレグリノ(Sanpellegrino)とアクアパンナ(Acqua Panna)が冠スポンサーを務める「アジア...
トップページに戻る