国家記録管理・アーカイブ局のダン・タイン・トゥン局長は12月28日、ベトナムの「グエン朝の歴史資料」が国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶(記憶遺産)」に登録されたことを明らかにした。
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2016年に80か国から集まった130の候補がユネスコで世界各国の各分野の専門家らにより審査され、2017年10月30日にフランス・パリで開催されたユネスコ世界会議でこの中からグエン朝歴史資料を含む78の候補が世界記憶遺産に登録されることが決定した。
これに先立ち、グエン朝の歴史資料は2014年に、ユネスコの記憶遺産を審査する「アジア太平洋地域世界記憶遺産委員会(MOWCAP)」の記憶遺産に登録されている。
グエン朝の歴史資料は、1802年から1945年にかけて存在した阮(グエン)朝(1802~1945年)の行政資料で、皇帝に提出された中央と地方の行政機関の文書や歴代皇帝が公布した文書などから成る。ベトナムの封建王朝で各皇帝の筆跡が残っている唯一の行政資料とされている。グエン朝の歴史資料は歴代13皇帝のうち11皇帝の資料が国家記録センターに保管されており、このうち10の資料に皇帝の筆跡が残っている。
MOWCAPの記憶遺産には、グエン朝の歴史資料のほか、「グエン朝の木版(2007年)」、「文廟の石碑(2011年)」、「東北部地方バクザン省のビンギエム寺の木版経典(2012年)」と、計4つのベトナムの記憶遺産が登録されている。