ハノイ市タインスアン区獣医診療所は19日、管轄内で実施していたノーリードの犬の捕獲と狂犬病予防モデルの結果報告と評価についての会合を開催し、高い成果が見られたことを明らかにした。同市でノーリードの犬の捕獲を実施したのは同区が初めて。
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同区では2300匹の犬が飼育されており、かねてから犬の放し飼いが問題となっていた。2018年8月にはジャーマン・シェパードに噛まれた男性が死亡する事件も起きている。
報告によると、管轄内では9組のパトロール隊が3か月にわたりノーリードの犬の取り締まりを実施し、犬12匹を捕獲、飼い主に総額630万VND(約3万0700円)の罰金を科した。捕獲された犬のうち3匹は飼い主が引き取りに現れなかったため、ペット保護研究センターに収容された。
管轄内における犬の放し飼いは以前に比べて▲70%減と大幅に減っており、パトロールにより区民らの規定遵守に対する意識が向上していることがうかがい知れる。同区では2019年年初から区内の全11街区でパトロールを実施し、犬の放し飼い撲滅を目指して取り締まりを強化していく方針だ。
しかし、パトロールに使用されている犬の捕獲用具は私製であるほか保護具などもなく、高齢者が多くを占めるパトロール隊員の安全が課題となっている。ホーチミン市では市が犬の捕獲用に車両や用具を用意しており、ハノイ市のパトロール隊員からはホーチミン市のような環境整備を求める声も出ている。
同区獣医診療所は、直近3か月のパトロールで捕獲した犬の数から区民の意識向上が認められ一定の成果があったとする一方で、捕獲した高額な犬種が負傷または死亡した場合には飼い主から民事訴訟を起こされる可能性があると危惧している。このことから、同所はハノイ市に対して犬の放し飼いに関する詳細な規定を文書で定めることを求めている。
ハノイ市獣医局は現在、同市タインチー郡とトゥオンティン郡で捕獲した犬の収容センターの開設準備をしているほか、2019年年初にパトロール専門部隊を発足する計画。また、捕獲した犬の飼育に係る費用や死亡した場合の対処方法について検討し、同市人民委員会へ提議する。
獣医分野における行政違反の処分に関する政令第90号/2017/ND-CP(2017年9月15日施行)では、飼い犬に口輪やリードをつけずに道路や公共の場を散歩させた場合、飼い主に60万~80万VND(約2900~3900円)の罰金を科すと定めている。また、施設に収容される犬については、飼い主が72時間以内に出頭して罰金を納付し、身元を引き取らなければ、焼却処分される。