モビフォンの巨額水増し企業買収事件、主犯格の元情報通信相に死刑の可能性

2019/09/05 14:20 JST配信

 情報通信省傘下で携帯通信大手のモビフォン(MobiFone)が、デジタルテレビ放送サービスを提供する地場オーディオ・ビジュアル・グローバル(Audio Visual Global=AVG)株95%を購入し多額の公的資産損失をもたらした汚職事件で、公安省捜査警察機関はこのほど、元情報通信相(2011年~2016年任期)のグエン・バック・ソン容疑者(男・66歳)が主犯格であることを明らかにした。

(C) danviet, 左:ソン容疑者、右:トゥアン容疑者
(C) danviet, 左:ソン容疑者、右:トゥアン容疑者

 同事件は、AVGが企業価値評価で大幅に水増しされ、モビフォンが同社株95%を実質的な価値を大きく上回る価格で購入したというもの。

 同事件では、ソン容疑者のほか、◇地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)のファム・ニャット・ブオン会長の実弟であるAVG元会長のファム・ニャット・ブー容疑者、◇前情報通信相(2016年~2018年任期)のチュオン・ミン・トゥアン容疑者、◇モビフォン元社長のカオ・ズイ・ハイ容疑者、◇モビフォン元会長 兼 社長のレ・ナム・チャー容疑者など計14人が、贈収賄の容疑で捜査を受けている。

 2015年、AVG株主から賄賂を受け取ることを知っていたソン容疑者は、モビフォンの巨額水増しAVG買収を積極的に指導していた。この企業買収は国に6兆5000億VND(約300億円)の損失をもたらしたとされる。

 取引成立後、AVG元会長のブー容疑者がソン容疑者の自宅を訪れて300万USD(約3億2000万円)の賄賂を手渡した。ソン容疑者は取り調べで賄賂を受け取ったことを認めており、受け取った現金を娘に手渡したと供述。一方で娘は父親から現金を受け取ったことを認めていない。

 トゥアン容疑者、ハイ容疑者、チャー容疑者の3人もAVGの株主から賄賂を受け取ったとされている。収賄罪に関する刑事法第354条では、10億VND(約465万円)以上の賄賂を受け取った者に対する量刑を20年の禁固刑~死刑と規定している。

 ブー容疑者を含めて、モビフォンにAVG株を売却した者は、これまでにモビフォンから受け取った資金、これにより発生した利息、およびその他費用の全て(8兆7750億VND=約410億円)を払い戻している。

 これについて捜査機関は、ブー容疑者が被害克服に真摯に取り組み、枯葉剤被害者協会や仏教協会などの社会奉仕活動に大きく貢献したほか、家族に革命功労者がいるとして、起訴・裁判時に特別優遇措置を適用する必要があると主張した。

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