ウラヤマシイ?「日本人街」で働くベトナム会社員たちのランチ事情

2022/08/27 10:27 JST配信

 ホーチミン市に最も古くから存在し、最も大きな「日本人街」と言えば、1区レタントン(Le Thanh Ton)通り。

(C) phunuvietnam
(C) phunuvietnam

 あたりは日本語の看板が立ち並び、白や赤の提灯が軒に下がり、店構えは木造のあしらい。表通りレタントンの飲食店は10店に8店が日本風で、路地に入っても、路地の路地に入っても、日本色が濃い店が続く。

 そんな街は、特に夜に賑わうが、ここにはCJタワー(CJ Tower)、リムタワー(Lim Tower)、ソナタスタワー(Sonatus Tower)といった内外の大企業が入居する大きなオフィスビルも複数ある。となると、お昼には、こういった日本食店もベトナム人のオフィスワーカーで賑わうことと思いきや、実際にはそうでもない。店先にはベトナム語のメニューが出され、オフィス民向けのリーズナブルなランチセットも様々用意されているが、実際には、これらの店にベトナムの会社員が入ることは非常に少ない。まだまだ「入りにくい」のだ。

 ソナタスタワーに入居する電子商取引(eコマース=EC)サイト運営会社ショッピー(Shopee)で働く女性ウエンさんは、「友人からは、毎日、日本食なんでしょう?刺身、寿司、ラーメン、おやつはたこ焼き?って言われますが、実際のところ、日本食レストランでお昼を食べたのは、この1年で4回あるか、というくらいですね」と言う。

 男性ミンさんも、「日本料理店がオフィスのすぐ傍にありますが、行きつけにはなりません。同僚と昼食に出る時も、日本食はほぼ選択肢にありません。うちの会社では、スタッフの半分は弁当持参、残りもその辺のベトナム料理。理由は単純、食べる習慣ですよ。日本食は、何だかパーティーで食べるようで、毎日の食事という感じではありません。ベトナム人は、ベトナムのご飯で育っていますから」と笑う。

 女性アインさんは、「多国籍企業で働き給料も少しは良いですが、日本食店でランチを食べれば安くても10万VND(約580円)、プラス飲み物代。毎日お昼に10万~20万VND(約580~1160円)使っていれば、貯金も家族への仕送りもできません」と言う。

 そんな会社員たちは、お昼時、オフィスからレタントン通りに出たかと思うと、そのまま近くの路地や、ゴーバンナム(Ngo Van Nam)通り、タイバンルン(Thai Van Lung)通りといった脇道に一直線、南部の庶民的な皿飯コムタム(Com Tam)や中部フエの代表料理ブンボーフエ(Bun bo Hue)を出す店に入り、こういった店はどこもすぐに満員御礼となる。

 「日本食は、私の昼食とはかなり違います。私はご飯と生野菜を食べたいのに、日本食のランチに出てくるのは、ワカメとか海苔とか。味も、濃い味付けのものが食べたいのに、日本食は食材そのものの味で、メインのおかずも日本食は焼肉なんかが多いのですが、私はカーコート(Ca kho to=魚の煮込み)や、ガーコーサー(Ga kho sa=鶏肉のレモングラス煮)が好き」と女性バンさん。

 事実、このエリアの会社員たちは屋台にもよく集まる。「歩道で1食3万5000VND(約200円)なら、毎日のランチにはちょうどいい。お昼をさっと食べるだけだし、庶民的なところの方が良いですね。歩道に座って息抜きして、お昼を食べてお茶を飲んで、オフィスに戻って昼寝ってところですね」と女性タオさん。

 そんなタオさんも、日本食店にまったく行かないわけではない。ただ、行く時はだいたい客や上司と一緒であり、「こういう時は仕事の話をしますので、個室のような改まった空間がいいですし、誰かを食事に誘うわけですから、歩道のご飯というわけにもいきません」と話してくれた。

© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 正午、ヒエップさんはノートパソコンを閉じ、オフィスのそばにあるコンビニエンスストアに向かった。昼...
 ベトナムが入国時の新型コロナウイルス検査規定を廃止し、国際線の運航が再開された5月半ばから、ベト...
 ホーチミン市のバックパッカー街として知られる1区ブイビエン(Bui Vien)通りが、アフターコロナで大勢...

新着ニュース一覧

 公安省は、運転免許試験、運転免許証および国際運転免許証の交付と使用に関する通達草案について意見聴...
 米国のテクノロジー企業であるマイクロソフト(Microsoft)のレポート「グローバルAIディフュージョン(Gl...
 ファム・ティ・タイン・チャー副首相は、新時代の出版活動におけるベトナム共産党の指導力強化に関する...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ハノイ市ドンダー街区イエンラン通りにあるカフェ「モーフォー(Mo Pho)」のドアを開けると、店内は静ま...
 中国のインフラ開発大手である太平洋建設集団(China Pacific Construction Group=CPCG)は最近、ベトナ...
 韓国の電子部品メーカーであるインターフレックス(Interflex)は、北部地方フート省(旧ビンフック省)の...
 公安省傘下交通警察局の代表者は14日、自動車運転免許試験のシミュレーション試験が7月1日から廃止され...
 政府は航空輸送に関する政令第208号/2026/ND-CPを公布した。同政令では、フライトの遅延や欠航、スケジ...
 南中部地方ダナン市のダナン国際空港で15日より、外国人の入国者を対象とした「渡航情報事前登録システ...
 米経済誌フォーチュン(Fortune)は、東南アジアの大手企業500社のランキング「フォーチュン・東南アジア...
 政府は、従来のRON95ガソリンにバイオエタノールを10%混合したE10ガソリン(E10RON95)の導入ロードマッ...
 ハノイ市人民評議会はこのほど、都市秩序や交通に関する一部の違反行為の罰金を現行の2倍に引き上げる...
 ホー・クオック・ズン副首相はこのほど、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)の拡張と、SHTPの...
 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計(推計値)によると、2026年5月の訪日ベトナム人の数は前年同月比▲2....
 日本の財務省が発表した2026年5月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比+14.2...
トップページに戻る