ドンナイ省元トップが7800万円の収賄、不動産投資や子供の留学に使用

2022/11/16 03:00 JST配信

 東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件に関連し、公安省傘下の密輸経済汚職犯罪捜査警察局(C03)は捜査の結論を発表した。

(C) vnexpress
(C) vnexpress

 4月下旬に摘発された同事件では、ドンナイ省総合病院の幹部らが2013年から2015年にかけて、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)やコンサルタントと結託し、医療設備器具の調達で取引価格を談合により水増しし、国に1520億VND(約8億5000万円)の損失をもたらしたとされる。AICグループは談合により12パッケージを「落札」し、契約総額は4769億VND(約26億6000万円)だった。

 同事件ではドンナイ省の元トップを含め、これまでに20人以上の容疑者が起訴されている。容疑者には、同省共産党委員会のチャン・ディン・タイン元書記(男・67歳)や同省人民委員会のディン・クオック・タイ元主席(男・63歳)の省元トップ2人が収賄容疑でこれに先立つ10月に逮捕された。

 ドンナイ省保健局長・同省総合病院元院長ファン・フイ・アイン・ブー容疑者(男)、元計画投資局長ボー・ゴック・トゥー容疑者(女)の元上級幹部2人も逮捕され、捜査を受けている。

 捜査の結論によると、AICグループの会長 兼 社長であるグエン・ティ・タイン・ニャン容疑者は、複数回にわたりドンナイ省の幹部らに賄賂を渡していたことが確認された。このうち、タイン元書記とタイ元主席の元トップ2人はそれぞれ140億VND(約7800万円)を受け取っており、不動産投資や子供の米国留学などに使用していた。ただし、2人の逮捕後、家族は受け取った賄賂に相当する金額を捜査機関に納付した。

 なお、AICグループの会長 兼 社長であるニャン容疑者は2021年6月19日に逃亡したことが確認され、今年5月上旬から指名手配されている。同容疑者は、日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物として知られる。

 同容疑者だけでなく、AICやその関連会社に勤めていた他の容疑者7人も逃亡している。公安省は指名手配されている8人の容疑者に対し、最寄りの警察署に出頭して自首するよう求めている。

[Tuoi Tre 16:09 11/11/2022 / VnExpress 16:05 11/11/2022 / Zing 16:17 11/11/2022 / VOV 13:28 12/11/2022, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 第13期ベトナム共産党中央執行委員会(2021~2026年任期)は15日、開催中の中間会議で、グエン・フー・ク...
 ベトナム共産党中央監査委員会は、東南部地方ドンナイ省共産党委員会副書記 兼 同省人民委員会主席のカ...
 東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件で、ハノイ市人民委員会は4日...
 東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件に関連し、同省共産党委員会の...
 トー・ラム公安相はこのほど、ファム・ミン・チン首相の委任を受けて、政府が国会に提出する汚職事件捜...
 東南部地方ドンナイ省総合病院の医療設備器具調達における違反事件で、公安省傘下の捜査警察機関は、同...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る