ベトナムの蚊に殺虫剤耐性、デング熱のコントロールに脅威も

2023/02/07 15:01 JST配信

 日本の国立感染症研究所(NIID、東京都新宿区)によると、ベトナムで採集されたデング熱の主要な媒介蚊であるネッタイシマカがピレスロイド系殺虫剤に著しく強い耐性を示すことを発見し、その原因を突き止めたという。研究は日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて長崎大学、東京大学などとの共同で実施された。

イメージ写真
イメージ写真

 ベトナムのネッタイシマカの多くで作用点ナトリウムチャネルの遺伝子上に重要なアミノ酸置換(L982W)をもたらす突然変異を確認したほか、別のアミノ酸変異(F1534C)も同時に保有する個体も発見し、この二重変異は解毒酵素との組み合わせにより、野生型の1000倍以上という桁外れに強い耐性をもたらすことがわかった。

 さらにカンボジアのプノンペンでは、この多重変異を有する超耐性ネッタイシマカが70%以上を占めた。2022年までにL982Wをもつネッタイシマカは周辺国から報告されていないが、今後、人流・物流とともに分布が世界に拡大すれば、デング熱のコントロールにとって重大な脅威となりうると考えられている。

[2023年2月1日 国立感染症研究所 / Tuoi Tre 14:19 06/02/2023, A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 東南部地方ビンズオン省保健当局とホーチミン市パスツール研究所は24日、同省トゥーザウモット市南部に...
 アース製薬株式会社(東京都千代田区)は、虫ケア用品の開発における知見・ノウハウを活かし、蚊媒介感染...
 デング熱とジカ熱の感染が多発する南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市ビンルオン村で3日、デング...
 デング熱とジカ熱の感染が多発する南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市で、デングウイルスとジカウ...

新着ニュース一覧

 米マイクロソフト(Microsoft)が発表した調査報告書「ワークトレンド指数(Work Trend Index)」2025年版...
 在ベトナム米国大使館は18日、巡視船「CSB8022」をベトナム海上警察に引き渡したと発表した。越米間の...
 宅配を手掛ける地場ゴゾ・エクスプレス(Gozo Express)は18日、地場系コングロマリット(複合企業)
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は
 最先端の機械学習テクノロジーを活用してモバイル資産を識別・評価・最適化する米国のラウンズ(Rounds)...
 サイゴンハノイ保険[BHI](Sai Gon-Ha Noi Insurance Corporation)は、韓
 ホーチミン市7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, quan ...
 ベトナムは、ライチの生産量で中国に次ぐ世界2位となっている。  2025年の収穫量は約30万3000tで、...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電
 ハノイ市ノイバイ国際空港で、ベトナム人乗客による日本円の違法持ち出しが発覚した。税関当局が18日に...
 国内IT最大手のFPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はこのほど、東南部地
 国会は18日、エネルギー使用効率化法の一部を改正・補足する法律を可決した。同法は2026年1月1日に施行...
 持田製薬株式会社(東京都新宿区)とMeiji Seikaファルマ株式会社(東京都中央区)は、持田製薬が日本で販...
 ベトナム発のITソリューション企業であるカオピーズ(Kaopiz、ハノイ市)と、東南アジア市場における医療...
 米グーグル(Google)と財政省傘下のベトナム国家イノベーションセンター(NIC)は18日、ベトナム国内での...
トップページに戻る