ホイアン:旧市街で相次ぐ古民家の売却

2023/07/19 14:57 JST配信

 世界遺産の街・南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市旧市街。この街は、そこに住む人々の暮らしこそが魂だが、近年、旧市街の古民家の売却が相次いでいる。

(C) bnews
(C) bnews

 ホイアン市旧市街のチャンフー(Tran Phu)通り、グエンタイホック(Nguyen Thai Hoc)通り、レロイ(Le Loi)通り沿いでは今、多数の古民家が、数百億VND(100億VND=約5800万円)という値段で売りに出ている。売主の多くは、商売のためにホイアン市に住んでいた人々から古民家を購入した、ハノイ市ホーチミン市の人々だ。

 コロナ禍で観光業界は深刻なダメージを受け、観光客の戻りもはかばかしくない。古民家を借りて商売をしていた人々は、家賃が高止まりする中、戻らない客足に店を閉めて引き払い、こうして借り手のいなくなった古民家の持ち主が、物件を売りに出しているというわけだ。

 ホイアン市旧市街に昔から住む人には、数百年受け継いできた家を次世代に残したいと考える人もいる。グエンタイホック通りに住む女性トゥイさんは、コロナ禍前に400億VND(約2億3300万円)あまりで売却を打診されたものの、何世代にもわたって暮らしてきた場所だとして首を縦に振らなかった。しかしながら、トゥイさんのようなケースは多くはなく、この通りのほとんどの古民家が、かなり前に売却されている。

 現在ホイアン市には、1000軒あまりの古民家が存在するが、うち70%は民間の所有物で、このうち所有主がホイアン市の人である例は30%しかない。

 ホイアン文化遺産保存管理センターのファム・フー・ゴック所長は、旧市街の遺跡が商品化していると指摘する。しかし法律で売買、譲渡が禁じられているわけでもなく、50軒もの古民家が売買されるような年もあるという。

 ホイアン市のグエン・バン・ソン人民委員会主席によると、1000軒あまりの古民家のうち、国が管理しているものは100軒ほどで、これらについては老朽化に対して規定に則って修繕することができるが、ハノイ市やホーチミン市の人々が所有する古民家は、商売の目的で購入されている場合が多いため、商売用の改修などが施されるだけで、管理が難しいという。

 ソン氏は、ホイアン市旧市街の「魂」も消えつつあると指摘する。以前は、住まいであり、商売の場であり、祈りの場であった古民家が、今はただ商売の場でしかなくなり、これが現在のホイアン市にとっての頭痛の種だとしている。

© Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved 利用規約 免責事項

この記事の関連ニュース

 とあるフェイスブック(Facebook)ユーザーがこのほど、新郎新婦のいでたちで南中部沿岸地方クアンナム省...
 南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市の旧市街を通る主要道路の1つであるチャンフー(Tran Phu)通りに...
 南中部沿岸地方クアンナム省の古都ホイアン文化遺産保存管理センターによると、7月の時点でホイアン旧...

新着ニュース一覧

 7日のベトナム株式市場は、ホーチミン証券取引所(HSX)のVNインデックスが大型株の牽引により上昇し、史...
 トー・ラム書記長 兼 国家主席は5日から7日にかけてインドを国賓訪問し、ナレンドラ・モディ首相および...
 配車アプリを展開する地場Beグループ(Be Group)は、5月8日より各種サービスの料金を+2~11%引き上げる...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市の中心部には、築140年以上の給水塔が今も存在している。この建築物は、19世紀末にフラン...
 インドネシアのフィンテック企業クレディボ(Kredivo)は6日、ベトナムのデジタル銀行ティモ(Timo)の買収...
 ベトナム国家銀行(中央銀行)によると、2025年末時点で15歳以上の国民の銀行口座保有率が約89%に達した...
 レ・ミン・フン首相はこのほど、戦略的技術および戦略的技術製品のリストを定めた決定第21号/2026/QD-T...
 インドにおける2026年1~3月期の電気自動車(EV)販売台数ランキングで、ベトナムのEVブランドがトップ4...
 国内最大手の格安航空会社(LCC)ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)の子
 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)によると、南部...
 観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)傘下のサン・フ...
 ハノイ市ドンアイン村の国家展示センター(VEC)で、5月13日(水)から15日(金)まで、「ベトナム国際広告設...
 科学技術省によると、全国における第3世代移動通信システム(3G)、第4世代移動通信システム(4G)、第5世...
 中国が南シナ海の一部海域を対象に5月1日から8月16日まで漁獲禁止令を一方的に発布したことを受け、ベ...
 「サイゴン・ザーディン市」が「ホーチミン市」へと市名を変更した1976年7月2日から、2026年7月2日で50...
トップページに戻る