クアンニン省: AIC元会長に禁固10年の判決、医療設備取引価格水増しで

2023/10/30 06:42 JST配信

 東北部地方クアンニン省産科小児科病院における医療設備器具の取引価格水増し事件で、同省人民裁判所は26日、16人の被告に有罪判決を下した。

(C)tuoitre
(C)tuoitre

 同事件は、同省保健局傘下の同病院の幹部らが2012年から、総合商社AICグループ(AIC Group、ハノイ市)などと結託し、医療設備器具の調達で取引価格を談合により水増しし、国に506億VND(約3億1000万円)の損失をもたらしたというもの。AICグループは談合により6パッケージを「落札」、契約総額は2373億VND(約14億5000万円)だった。

 AICグループの元会長 兼 社長であるグエン・ティ・タイン・ニャン被告(女・53歳)が主犯格として特定され、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で禁固10年の判決を言い渡された。

 この他、AICグループとその関連会社の従業員や、同省保健局、同省財政局の職員など計15人の被告は、競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪、または責任を果たさず甚大な被害をもたらした罪に問われ、執行猶予付き禁固2年~禁固7年の判決が下された。

 同事件では、ニャン被告を含む4人の被告が指名手配されており、裁判にも出廷せずに欠席裁判となった。民事責任について、裁判所はニャン被告らに対し、国に賠償金を支払うよう命じた。

 これに先立ち今年1月にハノイ市人民裁判所で行われた、東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件の裁判では、ニャン被告は競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした罪で16年、贈賄罪で14年の計30年の禁固刑を言い渡されている。

 ベトナムでの禁固刑は最大30年と規定されているため、今回の判決を含めたニャン被告に対する禁固刑の期間は30年のまま変わらない。ちなみに、ニャン被告は、日越間の相互理解・友好親善、投資、医療分野における交流強化のための長年にわたる献身的貢献と功績により2018年に日本政府から旭日小綬章を授与された人物として知られる。

 またニャン被告は、ホーチミン市農業農村開発局傘下のバイオ・テクノロジー・センターにおける設備機器取引価格水増し事件にも関与し、今年4月に起訴されて捜査を受けることになっている。

 

[Tuoi Tre 16:51 26/10/2023 / An Ninh Thu Do 16:09 26/10/2023 U]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 情報通信省の傘下機関だったベトナム・コンピューター・セキュリティセンター(VNCERT)における設備機器...
 労働傷病兵社会省共産党幹事部における違反に関し、ベトナム共産党中央監査委員会は8日、ダオ・ゴック...
 北部紅河デルタ地方バクニン省保健局医療建設プロジェクト管理委員会における違反事件をめぐり、同省人...
 東南部地方ドンナイ省総合病院における医療設備器具の取引価格水増し事件で、ハノイ市人民委員会は4日...
 東南部地方ドンナイ省総合病院の医療設備器具調達における違反事件で、公安省傘下の捜査警察機関は、同...
 駐ベトナム日本大使公邸で11月24日、2018年秋の外国人叙勲で旭日小綬章を授与された政府系総合商社AIC...

新着ニュース一覧

 商工省によると、2025年におけるベトナムの輸出入総額は推定で約9200億USD(約144兆円)となり、過去最高...
 ベトナム建設省は19日、ラオカイ~ハノイ~ハイフォン間鉄道建設事業の第1サブプロジェクトの着工式を...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を運行する同市メトロ1号線有限会社...
 ある日の午後、60代と思われる男性が、壊れたデュポン(Dupont)製のライターを手に、ホーチミン市チョロ...
 軍事ウェブサイトのグローバル・ファイアパワー(Global Firepower=GFP)が発表した2025年版の世界軍事...
 ファム・ミン・チン首相は20日、ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)のレ・マイン・フン会長を...
 再生可能エネルギー事業を手掛けるイーレックス株式会社(東京都中央区)は、同社が開発を進めている西北...
 一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は15日、ベトナムの新たなドローン産業団体であるベトナム低...
 電子機器・電気機械器具の製造・販売を手掛けるコーセル株式会社(富山県富山市)は、海外子会社(非連結...
 ベトナムで初となる軽量軌道交通(LRT)路線が19日、南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック特区(島)...
 米国の調査機関World Population Review(WPR)が先般発表した
 ホーチミン市では現在、計1万8613台のタクシーが運行されており、このうち電気自動車(EV)が1万3124台で...
 レ・タイン・ロン副首相はこのほど、「2025~2035年の外国語教育強化計画および2045年までのビジョン」...
 ベトナム国家大学ホーチミン市校(ホーチミン市国家大学=VNU-HCM)の副学長を務めていたグエン・ティ・...
トップページに戻る