ボー・トン・スアン教授が死去、21年に旭日中綬章受章

2024/08/21 04:20 JST配信
  • 元カントー大教授、南カントー大名誉学長
  • 74年に日本留学、九州大で稲作技術研究
  • 日越の学術交流と相互理解の促進に寄与

 元カントー大学教授(南カントー大学名誉学長)のボー・トン・スアン氏が19日、ホーチミン市で死去した。83歳だった。

(C) vietnamnet
(C) vietnamnet

 スアン氏は1974年に日本に留学し、九州大学で熱帯地域における稲作技術に関する研究を行い、同大学より博士号(農学)を取得した。ベトナムに帰国後、カントー大学教授として日本人研究者と稲作に関する研究を継続し、日本人研究者と共著で学術論文を投稿するなど、農業分野における日越間学術交流の先駆者としてその後の協力関係の土台を築く役割を果たした。

 1997年には客員研究員として京都大学に1年間滞在し、日本の農業協同組合に関する研究に取り組んだほか、ベトナム人農家および政策実務家を対象とした訪日研修のアレンジを実施。帰国後も、京都大学での研究を基に学会などで日本の農業制度や農業技術に関する紹介を行った。

 また、農学有識者として日本の政府開発援助(ODA)事業への協力を通じ、日越間の農業分野における協力関係強化に貢献した。日本で最初の農業高等教育技術協力とされる「ベトナム・カントー大学農学部協力プロジェクト(1970~1975年)」に携わったほか、日本で初となったアフリカ大陸での三角協力「サンベジア州ナンテ地区稲作生産性向上のための技術改善プロジェクト(2011~2015年)」でも、実施の方向性をベトナム側有識者として助言し、熱帯地域における稲作栽培技術に係る支援の実施に貢献した。

 スアン氏は、日本・ベトナム間の学術交流および相互理解の促進に寄与したとして、日本政府から令和3年(2021年)春の外国人叙勲で旭日中綬章を授章した。新型コロナ禍を経て、2022年4月に南カントー大学で旭日中綬章の伝達式が行われた。

[2024年8月19日 在ホーチミン日本国総領事館プレスリリース A]
※VIETJOは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved 免責事項

この記事の関連ニュース

 科学研究と技術イノベーションを促進して世界中の人々の生活向上を目的とする国際科学技術賞「第3回ビ...
 日本政府は2021年4月29日、ボー・トン・スアン元カントー大学教授(南カントー大学名誉学長)に対する旭...
 日本政府は4月29日、令和3年(2021年)春の叙勲受章者を発表した。ベトナムでは外国人叙勲として2人がそ...

新着ニュース一覧

 ベトナムは、7月1日から34省・市の新体制を導入する。  省・市合併やそれに伴う人事再編に関する国...
 南中部沿岸地方ダナン市で5月31日から開催されている「ダナン国際花火大会2025(DIFF 2025)」で、ベトナ...
慣れない海外生活、急病や事故
何かあってからでは遅い!
今すぐ保険加入【保険比較サイト】
 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、韓国農水産食品流通公
 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cu...
 ペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil and Gas Group=PVN)傘下の発電会社大手
 東南部地方ビンズオン省に拠点を置く大手給水会社ビンズオン上下水道環境[BWE
 北中部地方ゲアン省のビン国際空港が滑走路・誘導路改修工事に伴い7月1日から12月31日まで一時閉鎖する...
 森永乳業株式会社(東京都港区)と国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、2023年5月に開始した西...
 日本国内外の住宅および店舗などの新築・増改築、古民家再生、物販・飲食事業を手掛ける素朴屋株式会社...
 ハノイ市ノイバイ国際空港で27日午後、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlin
 5月5日に開幕した第15期(2021年~2026年任期)国会の第9回会議が27日に閉幕した。今国会では34本の法律...
 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気
 国会は27日、ホーチミン市と南中部沿岸地方ダナン市に設立される国際金融センターに関する特別政策を定...
 シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)のベトナム法人、UOBベトナム(UOB Vietnam)が発...
トップページに戻る