- 乗員乗客49人を乗せた観光船が転覆
- 20日までに35人の遺体を引き揚げ
- 生存者「転覆は一瞬の出来事だった」
19日午後、東北部地方クアンニン省沖のハロン湾で観光船「ビンサイン58号(Vinh Xanh 58)」が突風により転覆し、乗員乗客49人中35人が死亡した。10人が救出されたが、現在も4人が行方不明となっている。
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観光船は同日12時55分ごろ、乗客46人と乗組員3人の計49人を乗せて、ハロン湾の観光ルート2(スンソット洞窟~ティトップ島)を航行していたが、13時30分ごろに激しい突風に見舞われて船が転覆した。一部の乗客はタイミングよく海に飛び込んだが、大半はキャビンや機関室内に取り残され、14時5分に船の位置情報が途絶えた。
事故発生後、省当局は救助隊約1000人と救助艇約100隻を動員し、悪天候の中で夜通し捜索を実施した。20日までに35人の遺体が引き揚げられたが、現在も4人が行方不明となっている。遺体の8~9割は救命胴衣を着用した状態で発見された。
転覆した観光船は木造で、2015年に建造され、検査を受けて観光運航事業に関する許可を取得していた。安全係数は2.30で、国家基準(1.15)を上回る仕様だったが、天候の急激な変化と突風に乗組員が対応できなかったと見られる。生存者は「船の転覆は一瞬の出来事だった」と証言した。
当局は捜索救難活動を継続しつつ、事故原因の究明を急いでいる。木造観光船に対しては、技術的・運航面の総点検を実施しており、遺族と負傷者の慰問・支援も行っている。