ベトナムの労働者の2割に生成AIの影響、ILO報告

2026/04/21 12:54 ICT配信

 国際労働機関(ILO)ベトナム事務所が発表した報告書によると、ベトナムの男女労働者の約1150万人(総雇用の約20.8%)、すなわち5人に1人が生成人工知能(AI)の影響を受ける可能性のある仕事に従事していることが明らかになった。

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 ただし、AIによる大量の雇用喪失ではなく、仕事におけるタスクの性質が変化するというシナリオが最も可能性が高いとされている。

AIに完全に代替される労働者は約100万人にとどまる見込み

 報告書によると、高度に標準化されており、AIに完全に代替されるリスクがある仕事に就いている労働者は約100万人にとどまる。これは労働力全体の2%未満であり、インドネシアやフィリピン、タイといった周辺国よりも低い割合となっている。

 最も影響を受けるのは事務および管理サポートを行う労働者グループで、約3分の2の人員が一部のタスクを自動化される可能性がある。業界別では、金融・保険、卸売・小売、情報通信の各業界が生成AIによる影響を最も受ける。

 一方で、1200万人以上の労働者を抱える製造業における影響の割合は6.2%と比較的低く留まっている。地理的には、ハノイ市、ホーチミン市、南中部沿岸地方ダナン市の大都市における労働者が、影響を受ける可能性のある雇用の3分の1以上を占めている。

女性労働者の方が生成AIによる影響をより大きく受ける

 報告書はジェンダー格差についても強調しており、生成AIの影響を受ける職業に就く可能性は、女性が24.1%、男性が17.8%と女性の方が高くなっている。

 これは、女性労働者が標準化されたタスクや大量の文書処理を伴うオフィスワーク、管理事務、サービス業に集中しているという現実を反映している。しかし、女性労働者が約3分の2を占める販売部門においては、生成AIが生産性を高め、仕事の質を向上させる可能性があるという二面性も指摘されている。

 世界的にはAIによる雇用喪失の懸念が高まっているが、ベトナムにおいて2022年から2024年の期間に生成AIの影響を受ける業界で若年層や高学歴の労働者の雇用機会が減少したという明確な証拠は見つかっていない。近年、サービス業における雇用は成長を続けており、AIの応用が初期段階にある中で、労働需要は依然として安定している。

 ILOベトナム事務所は、ベトナムが生成AIを生産性向上と適切な雇用を促進する原動力に変える大きな機会に直面しているとし、労働基準に沿ったAIガバナンスの強化や、労働者のスキル向上への投資など、社会全体での協力と積極的な政策対応が必要不可欠であると呼びかけている。


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